個人向けカーリースの「先駆者」が語る、市場の変化と正直であることの価値

伊藤 真二

執筆者・監修者

伊藤 真二ファイナンシャルプランナー/編集長

更新日:2026.05.07

オリックスカーリース戦略責任者インタビュー

カーリースはかつて、法人が使うものでした。それを個人向けに切り拓いた先駆けの一社が、オリックス自動車です。1984年にマイカーリースを開始して以来、試行錯誤を重ねながら市場そのものを育ててきました。

今や個人向けカーリース市場には多くのプレイヤーが参入し、認知も急速に広がっています。その変化の中で、オリックス自動車はどこを向き、何を大切にしてきたのか。リース営業本部 リテール統括部長の中村龍司氏に話を聞きました。

1984年から続く、市場づくりの40年

Q.個人向けカーリースの市場をつくってきたオリックス自動車として、これまでの歩みをどう振り返りますか?

中村龍司氏(以下「中村」):当社がマイカーリースを始めたのは1984年です。ただ、立ち上げてすぐはなかなか市場が広がらなくて、注力したりやめたりを繰り返していました。
当時のサービスは残価精算があり、満了時に精算金をめぐってお客様と行き違いが起きることも少なくなかったですし、お客様にとっても営業にとっても、勧めづらい商品でした。


中村 龍司(なかむら・りゅうじ)氏

リース営業本部 リテール統括部長

2008年にオリックス自動車へ中途入社。以来、リース営業や中古車リース企画などの業務に従事。2018年からは、自社Webサイト「オリックスカーリース」(当時サービス名「カーリース・オンライン」)の運用を担当するとともに、主にオンライン系提携先との取り組みを推進。2024年より現職。全国1,100社超のビジネスパートナーとの連携強化と、自社サイトを軸としたオンライン施策の高度化を担う。


中村:それが変わったのは2008年頃です。リース契約満了のタイミングで車をお渡しする、2年前から解約もできるという「いまのりセブン」という商品をつくったことが1つのきっかけになりました
消費者にとってわかりやすい商品になったことで、認知が広がったのです。同じ頃にオンラインで審査申し込みができるサイトを立ち上げたことも大きかったと思っています。

その後は「リース」という言葉にこだわるよりも「分割で最後に車がもらえる」という、ローンに近い発想で訴求していきました。ローンのほうが馴染み深いですし、消費者にわかりやすいという考えです。
期間も7年からスタートして、今は11年まで用意しています。月々の負担を軽くすることを重視した結果、期間が少しずつ長くなっていきました。

結果として、総額よりも月々の負担を重視されるお客様に支持していただける商品になっていったのかなという認識です。

カーリースのネガティブイメージ、その根っこにあるもの

Q.そうした歩みの中で、この数年の市場の変化をどのように見ていますか?

中村:新規参入が増えて、市場が大きく変わりましたね。参入企業は異業種もいれば、メーカーが自社で手掛けるケースも出てきて、消費者の選択肢は格段に広がりました。業界全体としては前向きなことだと思っています。
ただ、競合が増えた分、オンライン、オフラインともに競争が激しくなっていて、そこは課題として感じています。


Q.個人向けカーリースの市場全体として改善すべき課題をなにか感じられますか?

中村:プレイヤーが増えて訴求の仕方も多様になった分、消費者から見てわかりにくくなっているのは課題です。しっかりと改善していかないと、業界全体の信頼に関わると思っています。弊社としても、決して他人事ではないと思っております。


Q.カーリースへのネガティブなイメージがここ最近までWeb上でも見られていました。そもそもあのイメージはなぜ生まれたのでしょうか?

中村:個人向けカーリースが広がり始めた頃に、残価設定のある商品を中心に、契約満了時の精算に関する話題が一部新聞などで取り上げられた時期があったと認識しています。そうした経緯から、カーリース全般に対して残価精算のイメージをお持ちの方もいらっしゃるのかもしれません。
今は中古車相場が良いので、精算時にリースの契約者に精算金が発生するケースは少なくなっているようです。なお、当社の商品は残価を設けない契約がほとんどですので、一般的にイメージされがちな残価精算トラブルは起こりにくい仕組みになっています。
それでも「デメリットだらけ」「やめとけ」といった検索提案が出てくるという事は、消費者が不安に感じている証拠だと思いますので、真摯に受け止めなければいけない。少なくとも弊社でご契約いただく方には、良い部分と、注意すべき部分を正直にご説明して、理解していただいた上でご契約いただくことが大事だと思っています。今できることはそれしかないな、と。

サービスに込めていること

Q.オリックス自動車の強みはどこにありますか?


中村:ブランドという意味では、オリックスという会社は野球のイメージもあって、ご存知の方が多いというのがあります。それはありがたいことで、1つの強みになっていると思っています。だからこそ、そのブランドを守ることは常に意識していて、少し挑戦的な広告をやってみたいと思うこともあるのですが(笑)、消費者に誤解を招くような表現は極力避けるようにしています。
そのスタンスが、安心を提供し、長く選ばれ続けている理由の一つになっているとも思っています。

事業上の強みで言うと、業務提携しているパートナー企業が全国で1,100社以上あり、提携先との協業が一番大きいと思っています。カーリースを紹介する自社サイトを長年運営しており、ドメインパワー(検索エンジン上での評価など)は一定あります。広告のコストが厳しくなってきている時期だからこそ、この蓄積は大事にしていきたいです。

また、グループとの連携という点では、レンタカーで使用した車を中古車リースとして提供できることも特徴の一つです。特に北海道のように、レンタカーの需要が一定の時期に集中するエリアでは、シーズンが終わったタイミングで状態のいい車がリースに回ってきます。整備も徹底されていますし、傷があれば修理してから提供していますので、外から仕入れた車とは品質の安心感が違う。法人リース事業が大きい分、リースアップ車両も豊富で、プリウスやアクアなど個人の方でも乗りやすい車種がそろっています。


Q.サービスを通じて届けたいものはなんでしょうか?

中村:一番はシンプルでわかりやすいサービスを提供し、カーリースを選択肢の1つにしてもらうことです。カーリースはどうしても仕組みの説明が必要で、購入より少し複雑なところがある。それを乗り越えて安心してご契約、リース期間中はメンテナンスも含めて経済的な負担を小さく、契約が終わった後も、そのまま乗り続けたい方は乗り続けられるし、売却していただいてもいい。そういった自由度の高い形でご利用いただきたい。

実際にお客様の声を聞くと、そのわかりやすさを評価していただけていると感じます。
例えば以前、車につける付属品の選び方がよくわからないという女性の方から、付属品セットのページを見て「自分のために用意してくれたページだと思った」というお声をいただいたことがありました。
また、新卒で地方に配属になった方から「お店に行く時間もないし車のことはよくわからないけど、スマホで契約まで完結できてよかった」という声も。忙しい方や車に詳しくない方でも、ハードルを感じずに使っていただけているのかなと思っています。


Q.オリックスのサービスはどのような方に向いていますか?

中村:向いているのは、車の維持管理にかかる費用を平準化させたいという方だと思います。税金や車検、メンテナンスをひとまとめにして月々の金額を把握したい。それが合う方には使いやすいサービスです。リースというと「借り物だから気を遣わなければ」と思われる方もいるのですが、弊社のプランは基本的に契約終了後もそのまま乗り続けることを選べる設計なので、ご自分の車として自由に乗っていただければと思っています。

そうしてご利用いただいたお客様に気持ちよく乗り続けてもらうために、契約後の接点も大事にしています。たとえば、オイル交換や車検のタイミングで、クーポンのご利用を促すご連絡をするようにしました。ご契約時に説明していても、実際にクーポンを使う時期が来たら改めて一声かける。それだけのことですが、お客様からは喜んでいただけています。

市場の未来

Q.市場が成熟していく中で、オリックス自動車としてどうありたいですか?

中村:個人向けカーリース市場自体はここ数年にかけて年率10%超で伸びていますが、この成長がずっと続くとは思っていません。どこかで緩やかになる局面は来ると思っていて、そうなったときに重要になるのが「継続」です。
新規のお客様をどれだけ獲得するかよりも、ご利用いただいた方にいかに乗り続けていただけるか。これは弊社だけじゃなく、各社が向き合わなければならない課題だと思っています。

今後やりたいこともまだあります。今は長期契約で最後に車をお渡しする形が主ですが、たとえば短期間でも継続的に乗り換えられる商品があれば、ライフステージの変化に合わせて、必要な車を選び続けることができます。
また、高齢の方に長期の高額契約をしていただくことへの慎重さは常に考えています。もし、いつでも解約できるような商品があれば、ご契約者様もご家族の方も安心できる。そういった形で社会貢献できるのであれば、いつかは取り組んでみたいです。

多くのお客さまに継続して当社のサービスを利用し続けていただけるかどうかが、これからの課題だと思っています。

競合のここがすごい

インタビューの最後に、サービスの中の方が認める他社サービスをお聞きしました。


中村

KINTOさんが若者向けに保険込みで展開されているのはすごいなと思っています。若い方が乗るにはすごくいいサービスで、勉強になります。


編集後記

業界全体のイメージが揺れた時期があった。残価精算のトラブルが相次ぎ、「デメリットだらけ」という言葉が検索に並んだ。そういう時代を経てもなお、オリックス自動車が個人向けカーリース市場で存在感を持ち続けているのはなぜか。

中村さんの話を聞いていると、その答えは難しいところにはなかった。お客様に正直に説明する、わかりやすくする、契約後も向き合い続ける。それを40年にわたって実行し続けることは、簡単ではない。そしてその積み重ねがお客様の信頼をつくり、今のオリックス自動車をつくっているのだと感じた。

※この記事は2026年4月時点の情報で制作しています

紹介したサービス

サービス概要

項目 内容
最安月額料金
14,300
円〜
中古車取扱 あり
頭金 基本はなし
※7年・9年・11年契約は選択可
ボーナス払い 選択可
取扱車種数 国産全車種・全メーカー
契約期間 5年・7年・9年・11年
※車種限定で3年プランもあり
メンテナンスプラン なし
※契約プランによって車検・オイル交換無料クーポンあり
走行距離制限 月間2,000km
残価精算 なし
契約満了時の選択肢 5年契約:返却・乗換え・再リース
7年・9年・11年契約:返却・乗換え・もらう
申込方法 オンライン
納車場所 自宅
対象エリア 全国
※一部の離島を除く
※オリックスカーリース公式サイトにおける2026年2月時点の情報です

セールスポイント

オリックス自動車が提供するオリックスカーリースでは、月額10,000円台から新車に乗ることができます。 月額料金には車両本体価格に加え、各種税金や諸費用なども含まれており、わかりやすい料金体系となっているのが特徴です。

5年契約の「いまのりくん」なら契約開始から2年経過すれば自由に車を返却したり、新しい車に乗り換えたりできるほか、7年契約の「いまのりセブン」なら契約満了時に車を返却することで年間リース料の20%のキャッシュバックを受け取ることができます。



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伊藤 真二
ファイナンシャルプランナー/編集長

伊藤 真二

ファイナンシャルプランナー。介護福祉士資格を所有していることから、老後の暮らしや節約・資産運用など、安心できる未来、無駄のない今を生きるためのご提案を多く行う。 また、ニュースメディア、採用メディア、自動車メディアなどのライター・編集者の経験から記事執筆・監修も広く行っている。