障害者手帳があっても車のローンは組める?減免制度の申請方法も解説

執筆者・監修者
伊藤 真二ファイナンシャルプランナー/編集長
更新日:2026.09.30

障害者手帳をお持ちの方が車の購入を検討するとき、「そもそもローンを組めるのだろうか」と不安に感じることもあるかもしれません。
結論からお伝えすると、車のローンの申込条件に、手帳の有無は含まれていません。ただし、収入や働き方に よっては条件を満たしにくくなるケースもあります。
この記事では、障害者手帳とローン審査の関係や審査に通りやすくするコツ、毎年かかる自動車税の減免制度などについて解説します。
【この記事のポイント】
✔ 車のローンの申込条件に、障害者手帳に関する項目はない
✔ 収入や勤続年数などの条件によっては、ローンを組むのが難しくなることもある
✔ 一定の要件を満たせば、毎年かかる自動車税の減免を受けられる
目次
障害者手帳があっても車のローンは組める?

障害者手帳をお持ちの方でも車のローンを組むことは可能です。
それを示しているのが、障害者手帳をお持ちの方などが一定の要件を満たす場合に受けられる、自動車税や軽自動車税の減免制度です。ローンで車を購入すると車検証上の所有者が本人にならないことがありますが、多くの自治体ではこうしたケースも減免の対象としています(減免制度の詳細は記事後半で解説しています)。
つまり、障害者手帳をお持ちの方がローンで車を購入することは、制度上も想定されているということです。
また、車のローンの申込条件も手がかりになります。たとえば三菱UFJ銀行が提供する「ネットDEマイカーローン(自動車ローン)」の「ご利用いただける方」は次のようになっており、障害者手帳に関する記載はありません。
ご利用いただける方
次の条件をすべて満たす個人のお客さま
・年齢が申込時に満18歳以上、完済時に満70歳の誕生日までで、保証会社(㈱ジャックス)の保証を受けられるお客さま
・前年度の税込年収(事業所得の方は申告所得)が200万円以上のお客さま
※年金収入のみのお客さまは対象外です。
・勤続(営業)年数が1年以上のお客さま
・Eメールアドレスをお持ちのお客さま
※外国人のお客さまは永住許可を受けている方が対象となります。
引用元:三菱UFJ銀行「ネットDEマイカーローン(自動車ローン)」(2026年8月23日時点)
車のローンを組むのが難しいケースもある

一方で、ローン商品には収入や勤続年数などの条件が設けられており、その内容はローンによってさまざまです。働き方によっては、こうした条件を満たしにくくなることがあります。
たとえば、体調や障害特性に合わせて短時間勤務を選んでいる場合、フルタイムに比べて収入は少なくなります。就労継続支援を利用している場合も、A型とB型では水準に差があり、とくにB型は低くなる傾向があります。
また、体調や障害状態の変化にともなって通所日数や勤務日数を調整すれば月ごとの収入が変動しますし、転職をすれば勤続年数は一からの計算になります。
障害者手帳をお持ちであること自体がローンを組めない理由になるわけではありませんが、こうした事情が重なると、ローンを組むのが難しくなることもあるでしょう。

伊藤 真二(ファイナンシャルプランナー)
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障害者手帳をお持ちの方が車をローン購入する流れ

自動車ローンにはいくつか種類があり、それぞれメリット・デメリットも異なります。また、ローンを組むには審査に通過する必要がありますので、どのような情報が審査されるのかも含めて、車をローンで購入するときの流れをご紹介します。
1 自動車ローンの種類を選ぶ
自動車ローンは、大きく次の4種類に分けられます。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自身の状況に合うローンを選びましょう。
銀行系ローン
銀行などの金融機関が提供する自動車ローンは金利相場が低く、自動車の購入資金以外にも幅広い用途で利用できるというメリットがあります。ただし、メリットが多い分、ほかのローンと比べて審査は厳しい傾向があります。ローンを組めるようになるまでに時間がかかる点にも注意しましょう。
ディーラーローン
ディーラーが提携する信販会社から、車の購入資金を借入れるローンです。車を担保にしてローンを組むため、銀行系ローンよりも審査には通りやすい傾向があります。
ただし、銀行系ローンよりも金利相場は高めな上、ローンを完済するまでは購入した車の所有権が販売会社などにあるというデメリットもあります。返済中に車を売却して乗り換えるといったことは、基本的にはできません。
残価設定ローン
ローンの返済期間に応じて車の将来の下取り価格である残価を設定し、その残価を最終回の支払いに据え置いた上で、残価を差し引いた金額を返済していくローンです。最終回の返済に据え置いた残価は、車を返却する、同じ販売店で新しい車に乗り換える、乗っている車を買い取るといういずれかの方法で精算します。
月々の支払額を安く抑えられる点がメリットですが、据え置いた残価も元金に含めて金利がかかるため、支払総額は高額になる傾向がある点に注意が必要です。
自社ローン
自動車販売店と直接契約するローンです。販売店独自の審査基準によって審査されるため、審査に通りやすい点が魅力といえます。金利0%で利用できますが、その分車両価格が高めに設定されたり、金利相当分の手数料や保証料が上乗せされたりするため、支払総額は高くつきやすいことがデメリットでしょう。
2 自動車ローンの審査を受ける
自動車ローンを組むには、各ローンの審査に通過しなければなりません。審査基準はローンによって異なりますが、審査内容はほとんど共通しています。おもにどのような情報が審査されるのかを見ていきましょう。
年収
ローンを問題なく返済できる年収か、安定した収入があるかどうかと合わせて審査されます。一般的な目安として、車のローン審査に通る年収は150~200万円以上といわれています。
信用情報
現在まで利用しているローンやキャッシングの返済に延滞や滞納がないか、クレジットカードや携帯の料金、税金などをきちんと支払っているかなどの信用情報も審査されます。
信用情報機関に記録される情報の保有期間は、内容や機関によって異なり、おおむね5〜7年程度です。この期間内に延滞などの記録が残っていると、審査に通りにくくなってしまいます。
勤続年数
安定した収入があるかどうかを審査するために、勤続年数もチェックされます。勤続年数が長いほど有利になるため、ローンの申込みはなるべく勤続年数が長いときに行うといいでしょう。また、ローンへの申込み直前や審査期間中の転職は避けるのが無難です。
ほかのローンの借入れ状況
すでにほかのローンやキャッシングを利用している場合、その返済額も合算して審査されるため、借入れが多いと自動車ローンを利用できないことがあります。住宅ローンやカードローン、クレジットカードのリボ払い、スマートフォンの端末代の分割払いなどが対象となります。
自動車ローンの審査に通りやすくするコツ

自動車ローンの審査を受けるとなると、無事通過できるかどうか不安に思う障害者の方やその家族の方もいるのではないでしょうか。審査に申込む前に対策をしておくことで、審査に通りやすくすることができます。
ここでは、自動車ローンの審査前にできる対策をご紹介します。
連帯保証人を立てる
連帯保証人とは、ローンの契約者が返済できなくなったときに、代わりにローンを支払ってくれる人のことです。障害者手帳をお持ちの方で、年収や勤続年数が審査に不利な場合でも、連帯保証人を立てることでローンを組める可能性があります。
頭金を用意する
借入希望額が支払い能力を超えているとみなされると、審査にも通りにくくなってしまいます。そこで、借入額を下げるために頭金を用意するという方法もあります。
初期費用は高くついてしまいますが、頭金としてある程度まとまった費用を支払うことで借入額を下げて審査に通りやすくできる上、利息負担も軽減できます。資金に余裕がある場合は、頭金の支払いも検討してみましょう。
ほかのローンの返済を済ませる
ほかのローンやキャッシングを利用しており、年収に対しての借入可能額を超えていると、自動車ローンを組めないことがあります。完済していないローンやキャッシングをすべて解消した上で申込むことで、審査に通過しやすくなるでしょう。

伊藤 真二(ファイナンシャルプランナー)
これらの対策はいずれも、まとまった資金や協力してくれる方の存在が前提となります。また、対策をとったからといって必ず審査に通るとは限りません。加えて、対策そのものが家計に影響することも考えておきたい点です。頭金を入れて借入額を下げれば審査には有利になりますが、手元の資金が減れば、その後の出費に備える余裕も少なくなります。
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障害者手帳で受けられる自動車税の減免制度とは?

障害者手帳をお持ちの方が車を所有している場合、所定の要件を満たすことで自動車税の減免を受けられます。
ここでは、減免を受けるための要件や減免額について見ていきましょう。
障害の程度によって減免の対象となるかどうかが変わる
自動車税の減免を受けられるかどうかは、障害の程度や車の用途などによって変わってきます。
障害要件・使用要件・所有要件の3つの要件をすべて満たすことで減免を受けられるため、減免制度を受けたいときは以下の要件に該当するかどうかを確認しましょう。
障害要件
障害の項目と等級を、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳または戦傷病者手帳から確認します。
障害要件の詳細は、各都道府県のホームページの県税についてのページから確認することができます。
例:障がい者手帳をお持ちの方ヘ~自動車税減免制度~(長野県ホームページ)
使用要件
減免を受けられるのは、車を次のいずれかの用途で使用する場合です。
・障害者手帳をお持ちの方本人が運転する
・障害者手帳をお持ちの方の通院や通学、通勤などの送迎や日常生活における外出のために、生計を同じくする方が運転する
・障害者手帳をお持ちの方のみで構成される世帯で、通院や通学、通勤などの送迎や日常生活における外出のために、介護する方が運転する
なお、障害者手帳をお持ちの方が病院などの施設に入所しているなど、その方のために車を使用しない場合は減免を受けられない点には注意が必要です。
所有要件
車は、次のいずれかの方が所有している必要があります。
・障害者手帳をお持ちの方
・障害者手帳をお持ちの方と生計を同じくする方
なお、ローンで購入して販売会社が所有権を留保している場合は、車検証の使用者欄で判断されるのが一般的です。
納税者が誰かによって条件が異なる
納税者が障害者手帳をお持ちの方なのか、その方と生計を同じくする方なのかによって、減免を受けるための条件が異なります。
納税者が障害者手帳をお持ちの方の場合
運転者・納税者ともに障害者手帳をお持ちの方の場合は、用途を問わず減免を受けられます。
また、それ以外の方が運転する場合は、その用途が通院や通学、通勤などであることが条件となります。
納税者が生計を同じくする方の場合
納税者が生計を同じくする方の場合は、運転するのが障害者手帳をお持ちの方本人でも納税者の方でも、用途の確認が必要です。原則、通う施設や職場、学校への送迎など、日常生活で使用することが条件となります。
用途によっては、減免が認められない可能性もあるため注意しましょう。
減免を受けられるのは1人につき1台
減免を受けられるのは障害者手帳をお持ちの方1人につき1台のため、複数台で減免を受けることはできません。ご本人と生計を同じくする方の2人ともが車を所有する場合は、どちらの車で減免を申請するのか、条件と併せて確認する必要があるでしょう。また、減免の対象となるのは自家用車に限られます。
なお、減免対象には普通自動車や軽自動車だけでなく、二輪車や原付も含まれます。ただし普通自動車は都道府県、軽自動車や二輪車、原付は市区町村が減免を行うため、申請先が異なる点に注意しましょう。
減免される税金
減免の対象となるのは、毎年課税される自動車税です。軽自動車の場合は軽自動車税が対象となります。なお、車の取得時にかかっていた自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割は、2026年3月31日をもって廃止されました。
自動車税の減免額には上限が設けられており、45,000円までとしている自治体が多く見られます。排気量2.5リットル以下の自家用乗用車であれば自動車税額が45,000円以下に収まるため全額減免されますが、これを超える場合は差額分を納付する必要があります。
なお、車検時に納める自動車重量税には障害者手帳を理由とした減免は設けられていません。エコカー減税の対象車であれば軽減されますが、これは障害の有無にかかわらず適用されるものです。
減免制度の申請方法

車の減免制度を受けるには、必要書類をそろえた上で申請する必要があります。ここでは、減免制度への申請方法について見ていきましょう。
申請場所と申請期限
障害者手帳をお持ちの方の車の減免申請は、県税事務所や自動車税管理事務所などが受け付けています。申請場所がわからないときは、電話やメールで確認しましょう。軽自動車税の場合は、お住まいの市区町村の窓口が申請先となります。
また、申請期限についても注意が必要です。期限は自治体によって異なり、新しく車を取得した場合とすでに所有している車の場合とで扱いが変わることもあります。期限を過ぎるとその年度の減免を受けられないことがあるため、事前に確認しておきましょう。
なお、自治体によっては、翌年度以降も減免を継続するために現況の確認や更新の手続きが必要になる場合があります。
必要書類
減免の申請に必要な書類は以下のとおりです。
・減免申請書
所定の申請書に記入しましょう。
・同一生計証明書(世帯全員が記載された住民票)
障害者手帳をお持ちの方と生計を同じくする方が、車を所有または取得する場合に必要です。
・常時介護証明書(身体障害者等のみで構成される世帯の身体障害者および日常的介護者の証明書)
障害者手帳をお持ちの方のみで構成される世帯で、その方を日常的に介護する方が運転する場合に必要です。
・障害者手帳等(原本)
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳のいずれかが必要です。
・自動車検査証(車検証)
コピーでも可能です。
・運転する方の運転免許証
コピー(両面)でも可能です。
・自動車税納税通知書
納付期限までに申請する場合に必要です。
・自動車税申告書
新しく車を取得して申請する場合に必要です。すでに所有している車で申請する場合は提出不要です。書類の名称は自治体によって異なります。
・使用廃止を証明する書類
すでに減免を受けている車を乗り換える場合、新しく減免を申請する車の登録時に提出します。
原則、減免を受けていた車の登録識別情報等通知書または所有権移転登録後の車検証のコピーが必要となります。
・その他
マイナンバーカード、または個人番号の記載された住民票の写しが必要です。
なお、申請場所によっては必要書類が異なる可能性があるため、居住地の窓口などで事前に確認しておくことをおすすめします。
すでに減免を受けている車を買い替える場合の申請方法
すでに減免を受けている車を買い替える場合は、新しく買い替えた車で減免を申請する必要があります。
減免を受けられるのは障害者手帳をお持ちの方1人につき1台となるため、すでに減免を受けている車の抹消登録または移転登録をした上で、新しい車の減免申請を行いましょう。
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よくある質問
- Q1障害者手帳で受けられる自動車税の減免制度とは?
A:一定の要件を満たす障害者手帳をお持ちの方や、その方と生計を同じくする方が受けられる制度です。障害要件、使用要件、所有要件のすべてを満たす場合に、毎年かかる自動車税の減免を受けられます。軽自動車の場合は軽自動車税が対象です。
- Q2車をローンで購入する場合、どんな情報が審査される?
A:自動車ローンの審査では安定した収入があるかに加えて、信用情報やほかのローンの利用状況、勤続年数などから返済能力があるかどうかが判断されます。障害者手帳の有無は、申込条件には含まれていません。
- Q3ローン購入以外で負担を抑えながら車に乗る方法はある?
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