【2023年版】コンパクトカーの専門家おすすめはコレ!人気ランキングも紹介

更新日:2024.12.09
おすすめのコンパクトカーについて専門家の解説や人気ランキングを紹介する記事のタイトル画像

基本的には手頃な価格である場合が多く、そして市街地での取り回し性能も良好で、さらには低燃費で経済的である場合がほとんどなる「コンパクトカー」という存在。そんなコンパクトカーには、そもそもどんな種類が存在しているのでしょうか?

そしてもしもコンパクトカーを買うとしたら、どのような基準をもって選べば、より満足できるカーライフを、より経済的に実践することができるのでしょうか?自身もコンパクトカーが大好きな専門家が解説します。


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【寄稿】
モータージャーナリスト

伊達軍曹


【この記事のポイント】
✔「コンパクトカー」に明確な定義はないが、主には全長4.2m以下の車を指す
✔昔はハッチバック系コンパクトカーのみが存在したが、近年はミニバン系やSUV系なども人気を集めている
✔おすすめはハイブリッドだが、「ハイブリッドじゃないとダメ」ということもない

コンパクトカーとは、その定義と特徴

コンパクトカーとは、その定義と特徴

「コンパクトカー」という言葉はよく聞きますが、そもそもコンパクトカーに定義はあるのか?また一般的にはハッチバックタイプの小さな車をコンパクトカーと呼ぶ場合が多いはずですが、それ以外のボディタイプであっても「コンパクトカー」と呼べるのか? そのあたりをまずは整理いたします。

諸説あるが、コンパクトカーの歴史は1908年に始まった

諸説あるとは思いますが、コンパクトカーの歴史は1908年にアメリカで発売された「T型フォード」から、根本的には始まったと見ることができます。

19世紀末にガソリンエンジンを積む自動車が発明された頃、自動車というのは「手作りの希少な高級品」であったため、王侯貴族や富裕な実業家などしか所有することはできませんでした。そこに、流れ作業による大量生産方式を取り入れて本体価格を大幅に下げ、一般大衆であっても所有できる自動車として登場したのがT型フォードです。そんなT型フォードは大ヒット作となり、結果として「自動車の在り方」を大きく変えました。

T型フォードは「他と比べてとりわけコンパクトな車」というわけでもありませんでしたが、「誰もが買うことができる比較的安価な、なおかつ十分な性能を持っている車」というコンパクトカーの本質を、20世紀の初めに“発明”した車だったのです。

コンパクトカーの「正確な定義」はないが、おおむねの定義はコレ

コンパクトカーの「正確な定義」はないが、おおむねの定義はコレ

そして現在、コンパクトカーとは前述のとおり「誰もが買うことができる比較的安価な車」で、なおかつ「コンパクトサイズな車」であり、さらには「軽自動車ではないもの」を、日本では一般的には指し示します。

具体的には「全長=4200mm以下/全幅1700mm以下/エンジン排気量=1.5L以下」の車をコンパクトカーと呼ぶ場合が多いのですが、この数字は“絶対”ではなく、割とファジーな(あいまいな)基準でしかありません。つまりコンパクトカーというものの「明確で唯一の基準」は、実は存在していないのです。

とはいえおおむねのコンセンサスとしては上記のとおり、
・全長=4200mm以下ぐらい
・全幅=1700mm以下ぐらい
・エンジン排気量=1.5L以下ぐらい
・規格=軽自動車ではなく登録車(いわゆる普通車)
・そしてボディタイプ的にはハッチバックなどの2BOX車
である車のことを「コンパクトカー」と呼ぶ場合がほとんどです。

ハッチバック系以外のコンパクトカーにはどんな種類がある?

ハッチバック系以外のコンパクトカーにはどんな種類がある?をイメージした画像

つい先ほど、コンパクトカーの一般的な定義として「ボディタイプ的にはハッチバックやトールワゴンなどの2BOX車」と申し上げました。

これは、ひと昔前までであればおおむね正しい定義だったのですが、最近ではコンパクトカーのボディタイプやキャラクターもかなり細分化されてきたため、一概に「コンパクトカー=ハッチバックやなどの2BOX車」とは言い切れない状況になっています。

直近の各種コンパクトカーをボディタイプごとに分類するとしたら、おおむね下記のとおりとなるでしょう。

ハッチバック系

トヨタ「ヤリス」や日産「ノート」、あるいはホンダ「フィット」等々がこれに該当します。リアのハッチゲートを含めて3枚から5枚のドアを備えているハッチバックスタイルの2BOX車で、コンパクトカーとしてはもっとも一般的なカテゴリーです。そして一般的であるがゆえに各メーカーから多種多様なモデルが販売されており、昔とほぼ変わらない安定した人気を集めています。

トールワゴン系

トヨタ「ルーミー」やダイハツ「トール」、スズキ「ソリオ」などがここに該当します。ハッチバック系と同じく「5枚のドアを備えているハッチバックスタイルの2BOX車」ではあるのですが、こちらは「トールワゴン」というぐらいですので、背が高いワゴンスタイルが採用されています。

具体的には、ハッチバック系の全高が1500~1520mmぐらいであるのに対し、トールワゴン系の全高は1700~1750mmぐらい。高さに余裕があり現在販売中のモデルはスライドドアも組み合わされているため、ハッチバック系以上に車内を広く使うことが可能。それもあって、特にトヨタ「ルーミー」などは大人気モデルになっています。

ミニバン系

ここ最近はコンパクトカーと呼べるサイズ感であっても、ミニバンスタイル(箱型のボディに3列シートとスライドドアを組み合わせ、7名ほどの乗車が可能になるスタイル)を採用するモデルが登場しており、そちらも人気を博しています。

モデル名でいうとトヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」がここに該当するわけですが、シエンタおよびフリードには、3列シートではなく2列シートを採用する仕様もラインナップされています。そんな2列シートのタイプを含め、ミニバン系のコンパクトカーは「ミニバンは必要だけど、あまり大きなボディサイズは必要ない」というタイプのファミリー系ユーザーから絶大な支持を得ています。

SUV系

日本だけではなく世界的に大人気となっているSUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)のスタイルは、最近はコンパクトカーにおいても採用されるようになってきました。具体的にはトヨタ「ライズ」や「ヤリス クロス」、マツダ「CX-3」、スズキ「クロスビー」あたりが「SUV系のコンパクトカー」ということになります。

また全長4200mmを少し超えるのですがホンダ ヴェゼルと日産 キックスも、ぎりぎり「SUV系のコンパクトカーである」と定義することができるでしょう。

これらのSUV系コンパクトカーは、ミドルサイズ以上の本格SUVと比べれば悪路走破性などが劣る場合が多いものです。しかし一般的なユーザーは「悪路をガンガン走る」という行為はあまりしないため、イメージが良く、なおかつ居住性や積載性にもまずまず優れるSUV系のコンパクトカーは今、かなりの人気を集めています。

コンパクトカーのメリット・デメリット

コンパクトカーのメリット・デメリットをイメージした画像

コンパクトカーにはさまざまなメリットがありそうに思えますが、当然ながら、メリットと相反する形での「デメリット」だってあるはずです。コンパクトカーのメリットとデメリットは何なのか、ここでハッキリさせておきましょう。

コンパクトカーに乗るメリット

まずは何といっても「車両価格が安い」というのが最大のメリットです。ミドルサイズ以上の車は、最近では乗り出し価格が400万円を超えてしまう場合もめずらしくありませんが、「なるべく手頃な価格であること」を旨とするコンパクトカーであれば、その半額ぐらいの予算で乗り始めることも決して難しくありません。

またそれに付随して「維持費が安い」というのも、コンパクトカーならではのメリットであるといえます。エンジン排気量が小さめであるため「自動車税」は安く、軽量コンパクトであるがゆえに燃費も伸びるため、「燃料費」も少なめで済む場合が多いでしょう。またタイヤやバッテリーなど整備の際に必要となる「部品代」も、大柄な高級車の部品代と比べれば大幅に安価です。

安いという以外の部分では、「取り回しがラク」というメリットも忘れてはいけません。近年の中型車は全幅1.8mを軽く超えていて、全長も4.5m以上である場合が多いため、日本の狭い道では取り回しにひと苦労してしまうケースも多いものです。

しかし全幅1.7m以下で、全長もせいぜい4mを少し超える程度であるコンパクトカーであれば、狭い道などでもストレスなく走れて、そして気軽にUターンなどを行うこともできます。

そして、これらのさまざまなメリットが総合された結果として「性能的にも気分的にも、とにかく軽快にスイスイ走れる!」というのも、コンパクトカーというものの大きなメリットになるでしょう。

コンパクトカーに乗るデメリット

世の中に「メリットしか存在しない」なんてモノは基本的にはありませんので、当然ながらコンパクトカーにも、いくつかのデメリットは存在しています。

特に大きなデメリットは「ボディサイズが小さめであるため、人や荷物をたくさんのせることはできない」というでしょうか。

多人数や大きな荷物などをのせる機会はあまりない――というユーザーであれば特に問題はないのですが、かさばる長尺物を使う必要がある趣味をお持ちだったり、自分以外の人を3~4人ぐらい乗せなければならない機会が多かったりするユーザーには、コンパクトカーは明らかに不向きです。

またごく一部に例外はありますが、基本的には「経済的であること」を優先しているコンパクトカーですので、インテリアの質感や装備のレベルは、ミドルサイズ以上の普通乗用車と比べて若干あるいは大幅に劣ります

そのほかでは、特にミニバン系やSUV系コンパクトカーの場合は、車の総重量に対してエンジンの力がやや物足りない――と感じるケースもあるでしょう。このあたりはグレード選び(どのエンジンを選択するか?)で解決できる場合も多いものですが、基本的な傾向としては「コンパクトカーのパワーユニット=やや非力」ということがいえるでしょう。


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いま、売れている人気のコンパクトカーランキング

「さしあたって今売れているコンパクトカーはどれなのか?」ということを知れば、おおむねのトレンドと、今後自分が選ぶべきモノは見えてくるはず。ということで、2023年度上半期のコンパクトカー販売台数ランキングを見てみましょう。


〈2023年上半期(4~9月)コンパクトカー販売ランキング〉

コンパクトカー順位 全体順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 1 ヤリス トヨタ 97,421 119.4
2 3 シエンタ トヨタ 67,344 260.4
3 4 ノート 日産 58,095 102.0
4 8 アクア トヨタ 46,458 136.1
5 9 ルーミー トヨタ 45,814 69.9
6 11 フリード ホンダ 43,513 99.3
7 13 ライズ トヨタ 33,233 73.2
8 15 フィット ホンダ 29,962 101.2
9 16 ソリオ スズキ 26,888 153.8
10 20 ヴェゼル ホンダ 22,770 95.5
11 21 パッソ トヨタ 18,138 100.9
12 26 スイフト スズキ 13,967 105
13 28 ジムニーワゴン スズキ 13,522 156.1
14 30 MAZDA2 マツダ 11,271 95.9
15 33 ロッキー ダイハツ 9,589 88.7
16 39 キックス 日産 6,730 54.9
17 41 クロスビー スズキ 6,668 109.5
18 47 トール ダイハツ 5,483 103.6


第1位トヨタ「ヤリス」(ハッチバック系/SUV系)

第1位 トヨタ「ヤリス」(ハッチバック系/SUV系)をイメージした画像

昨年度に続いて2023年度上半期も、トヨタ「ヤリス」が「もっとも売れているコンパクトカー」の座をぶっちぎりでキープしています。2023年4~9月の9万4,443台という販売台数はハッチバックタイプの「ヤリス」だけでなく、SUVタイプである「ヤリス クロス」との合算値で、両者の販売比率はハッチバックのヤリスがおおむね65%、SUVのヤリス クロスが約35%であるとのこと。

そのため、もしもヤリス単体またはヤリス クロス単体での数字を見るなら順位も変わってくるわけですが、いずれにせよ、ハイブリッド車の圧倒的な低燃費と活発な走りでもって人気を集め続けている「ヤリスブランド」のパワーは、まだまだ衰え知らずのようです。


第2位トヨタ「シエンタ」(ミニバン系)

第2位 トヨタ「シエンタ」(ミニバン系)をイメージした画像

2022年8月に登場した5ナンバーサイズのコンパクトミニバン。「シエンタ」としては3代目のモデルになります。全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mmというボディサイズは、3列シートのミニバンとして考えるとかなりコンパクトであるため、3列シートに計7人が広々と座れる、というわけではありません。しかし「7人がフルに乗車する機会などあまりない」というユーザーも世の中には多いため、シエンタはそういった層から絶大ともいえる人気を得ています。また3列ではなく2列のシートをあらかじめ採用する「5人乗り仕様」もラインナップされているため、6人以上の乗員を乗せることはほとんどないとわかっているユーザーであれば、そちらを選ぶのもアリでしょう。


第3位日産「ノート」(ハッチバック系)

第3位 日産「ノート」(ハッチバック系)をイメージした画像

2020年11月に登場したハッチバック系のコンパクトカー。日産「ノート」としては3代目のモデルに相当します。また2023年度上半期の4万6144台という販売台数には、ノートのボディサイズを若干拡大し、インテリアなどのプレミアム感もより高めた日産「ノート オーラ」の台数も合算されています。

オーラを含む日産 ノートがよく売れている理由は「デザイン性および質感の高さ」と、「e-POWERがもたらす活発で好印象な走り」でしょう。コンパクトカーは、特にハッチバック系のコンパクトカーはデザイン性とインテリアの質感などに不満を覚えてしまうことも多いジャンルですが、3代目の日産 ノートはそのあたりのレベルが非常に高いため、もともとは高級車に乗っていたような人であってもおそらくは満足できるはず。そして「e-POWER」というシリーズハイブリッドのパワーユニットもパワフルであるため、走行性能に関しても、コンパクトカー特有の不満が出にくい一台に仕上がっています。


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第4位トヨタ「ルーミー」(トールワゴン系)

第4位 トヨタ「ルーミー」(トールワゴン系)をイメージした画像

2016年11月にデビューした、全高1735mmのトールワゴン系コンパクトカー。ダイハツ 「トール」としてダイハツが開発した車のOEM供給版です。パワーユニットは最高出力69ps の1L直3または同98psの1L直3ターボで、2020年9月にマイナーチェンジを実施。このときに外観デザインを小変更するとともに、予防安全機能「スマートアシスト」の内容をレベルアップさせています。

走行性能についてはこれといった特徴はない車ですが、コンパクトカーとは思えないほどの車内の広さと、シートアレンジなどの多用さ。そして車両価格の手頃さなどにより、コンパクトカーを「便利で手頃な“道具”としてガンガン使いたい」と考えるタイプのユーザーからの人気を集め続けています。


第5位トヨタ「アクア」(ハッチバック系)

第5位 トヨタ「アクア」(ハッチバック系)をイメージした画像

2021年7月に発売となった、パワーユニットにハイブリッドシステムのみを採用しているトヨタのハッチバック系コンパクトカー。トヨタ「アクア」としては2代目のモデルということになります。

1.5Lの新世代エンジンをベースとするハイブリッドシステムは抜群といえるほどの燃費性能を発揮し、FF車のWLTCモード燃費は33.6~35.8km/L。そして同門のトヨタ ヤリス(ハッチバック)よりもやや大柄であるため、後席や荷室などもヤリス以上に広く使うことができる一台です。そのあたりの“総合力”の高さにより、2021年の登場時からずっと売れ続けているコンパクトカーであり、「売れて当然」といえる高い資質を備えている一台でもあります。


第6位ホンダ「フリード」(ミニバン系)

第6位 ホンダ「フリード」(ミニバン系)をイメージした画像

2023年度上半期のコンパクトカー販売台数ランキングで2位となったトヨタ「シエンタ」とおおむね同じボディサイズ、おおむね同様のキャラクターを備えたミニバン系コンパクトカーです。また「3列シート車だけでなく、2列シート5人乗りの仕様もラインナップしている」という点においても、ホンダ「フリード」とトヨタ シエンタはよく似ていますし、パワーユニットが1.5Lガソリンまたは1.5Lエンジンをベースとするハイブリッドシステムであるという点も同じです。

大きく異なるのは両者の発売時期で、2代目トヨタ シエンタが2022年8月に登場したばかりであるのに対し、こちら2代目ホンダ フリードは2016年9月デビューと、いささか“古い”ミニバン系コンパクトカーです。しかしホンダ フリードもマイナーチェンジや一部改良を重ねつつ、SUVスタイルの「クロスター」や「ブラックスタイル」などの特別仕様車を投入することで、新鮮味と売れ行きをキープさせています。そして実際に乗ってみても、トヨタ シエンタに特に大きくは劣らない使い勝手や走行性能などを味わうことが可能です。


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第7位トヨタ「ライズ」(SUV系)

第7位 トヨタ「ライズ」(SUV系)をイメージした画像

2019年11月に発売となった5ナンバーサイズのコンパクトなSUV。ダイハツ「ロッキー」という車のOEM供給版です。ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmと小ぶりトですが、新設計のプラットフォームにより広い車内空間を実現。後席空間のゆとりもこのクラスとしては十分で、荷室は最大容量369Lというまずまずな広さを誇るほか、さらに80Lの床下収納も用意されています。

パワーユニットは最高出力98psの1L直3ターボが基本でしたが、2021年11月にFF車のエンジンを1.2L自然吸気に変更。またこのとき、1.2Lエンジンを発電のみに用いるハイブリッド車も追加されました。なお現在はダイハツによるハイブリッド車の不正試験が発覚したため販売を停止しています。


第8位ホンダ「フィット」(ハッチバック系)

第8位 ホンダ「フィット」(ハッチバック系)をイメージした画像

ハッチバックタイプではあるものの荷室は広く、そして走りも活発である――ということを昔から特徴としているのがホンダ「フィット」というコンパクトカー。現在は、2020年2月登場の4代目モデルが新車として販売されています。

エクステリアはちょっと柴犬を思い起こす優しいニュアンスで、ベーシックなデザインのほかに、SUVテイストを感じる「クロスター」などもラインナップ。パワーユニットは1.3L直4ガソリンエンジンのほか、1.5Lエンジンに2つのモーターを組み合わせた「e:HEV」というハイブリッドを用意しています。また2022年10月にマイナーチェンジを実施し、デザインの小変更とグレードの整理を行うとともに、ガソリンエンジンの排気量を1.3Lから1.5Lに拡大。そしてe:HEV(ハイブリッド車)の駆動用モーターも強化されました。

全体的にいうなら「アクの強さ」のようなものを抑え、「便利かつ普通に」といったニュアンスで付き合うことができるコンパクトカーだといえます。


第9位ホンダ「ヴェゼル」(SUV系)

第9位 ホンダ「ヴェゼル」(SUV系)をイメージした画像

2021年4月に発売された2代目のホンダ「ヴェゼル」は、全長4330mm×全幅1790mm×全高1580mmのSUV。一般的にいう「コンパクトカー」という言葉から想像できるサイズ感よりは少し大きな車ですが、SUVのなかでは「けっこう小さい部類」に入ります。

パワーユニットは1.5L直4ガソリンまたは「e:HEV」というハイブリッドの2種類で、販売の中心となっているのはe:HEVです。こちらはなかなか活発な力を発生させると同時に、22km/L以上をマークする低燃費なユニットでもあります。

SUVとしてはコンパクトなホンダ ヴェゼルですが、後席の足元空間は先代モデルより35mm拡大されており、広さはまずまず。そして荷室は、後席の背もたれを倒して座面をダイブダウンさせれば、完全にフラットな空間として利用することが可能です。


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第10位スズキ「ソリオ」(トールワゴン系)

第10位 スズキ「ソリオ」(トールワゴン系)をイメージした画像

2023年度上半期のコンパクトカー販売台数ランキングで4位となったトヨタ「ルーミー」とよく似たキャラクターを持つ、トールワゴン系のコンパクトカー。というか正確には、2015年に発売された先代スズキ「ソリオ」の成功に刺激され、ソリオに類似するトールワゴンとして“後出し”されたのがトヨタ ルーミーおよびダイハツ トールです。

2列・5人乗りのシートを備えるボディのサイズは、トヨタ ルーミーより少し長く、少し狭い全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mmで、従来型よりも若干大ぶりとすることで居住空間や荷室スペースを拡大しましたが、最小回転半径4.8mという抜群の取り回し性能は維持されました。

パワーユニットは最高出力91psの1.2L直4エンジンに同3.1psのモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドが基本で、2022年12月にはEV走行も可能なフルハイブリッドモデルも追加。走りはいずれもシュアな感触で、長距離移動も苦になりません。
標準モデルのほか、いわゆるカスタム仕様に相当する「ソリオ バンディット」もラインナップされています。

専門家がおすすめするコンパクトカーはコレだ!

先ほどは2023年度上半期の売れ筋ランキングを確認しましたが、客観的な販売台数ではなく「専門家の経験と主観」をもと考えるとしたら、どんなコンパクトカーがおすすめとなるのでしょうか?2023年度上半期のランキングと重複する車種も当然ながら出てきますが、とにかく専門家の意見を一度聞いてみましょう!

第1位 日産「ノート オーラ」(ハッチバック系)

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現行型日産「ノート」の発売から約1年後に追加された、ノートをベースとするプレミアムコンパクトです。

普通の日産 ノートが5ナンバーサイズであるのに対し、こちらノート オーラは全幅を40mm広げた1735mmとする専用の3ナンバーボディを採用。ボディ前後のデザインの違いと併せ、ノートとの違いはごくわずかともいえるのですが、その「わずかな違い」が結果としては大きな違いとなり、とてつもない高級感が生まれているのが日産ノート オーラという車です。ハッチバック系のコンパクトカーにありがちな「機能的には十分なのだが、高級感のような部分が足りないのが惜しい」という悔しさをいっさい味わう必要がないのが、日産ノート オーラというコンパクトカーなのです。

1.2L直3エンジンを発電に用いるe-POWERシステム自体はノートと同一ですが、ノートオーラのそれは車格に合わせたパワーアップがされています。しかしそれでいてFF車のWLTCモード燃費は27.2km/Lと、なかなか低燃費な車でもあります。


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第2位 日産「ノート」(ハッチバック系)

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プレミアムコンパクトである日産「ノート オーラ」は大いに魅力的な一台ですが、プレミアムなだけあって若干高額であるのは確かですし(Gというグレードの場合で269万9400円)、「コンパクトカーにそこまでのプレミアム感は求めない」という人も少なくないでしょう。

そんな場合におすすめしたいのは、ノート オーラのベースとなった普通の「日産 ノート」です。ノート オーラの隣に並べて見比べると、エクステリアもインテリアも高級感は若干見劣りしますが、それは「もしも並べて見比べたら」の話であって、ノート単体で見るのであれば「上質感が強く、きわめてハイセンスなコンパクトカー」にしか見えず、e-POWERがもたらす動力性能も十分以上です。そしてWLTCモード燃費はノート オーラ以上に優秀な28.4km/Lであり、車両価格も40万円以上お安い224万9800円(Xグレード)ですので、「普通に上質で便利なハッチバック系コンパクトカーが欲しい」という場合には、ノート オーラよりもノートのほうが適任となるはずです。

第3位 トヨタ「ヤリス ハイブリッド」(ハッチバック系)

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「上質感とカッコよさ」を優先させたい場合は日産「ノート オーラ」がイチ推しとなりますが、考えてみればコンパクトカーにとって重要なのは、特にハッチバック系コンパクトカーの場合は、上質感とカッコよさよりも「経済性」なのかもしれません。比較的安価に購入することができて、なおかつ燃費も抜群で――というような車こそが、ハッチバック系コンパクトカーのあるべき姿だということもできるでしょう。

そう考えた場合には、一番の売れ筋モデルであるトヨタ「ヤリス」のハイブリッド車がかなりのおすすめとなります。中間グレードである「HYBRID G」でも車両価格は214万5000円と超お手頃で、WLTCモード燃費は35.8km/Lと超バツグン。そして力強さも十分以上であるため、運転していてストレスを感じることがありません。

「後席や荷室はやや狭い」「市街地では超バツグンな燃費だが、高速道路で速度を上げると意外に伸びない」というのはありますが、総合的に見れば、いまだ最高レベルのコスパを誇るハッチバック系コンパクトカーだといえます。


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第4位 トヨタ「アクア」(ハッチバック系)

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上の第3位のところで、トヨタ「ヤリス ハイブリッド」は「いまだ最高レベルのコスパを誇るハッチバック系コンパクトカーである」との旨を申し上げると同時に、「しかし後席や荷室はやや狭い」という旨もお伝えしました。

筆者個人は妻と2人暮らしであるため後席や荷室が多少狭くても何ら問題はないのですが、多くの方は「それはちょっと困る!」と感じることもあるでしょう。そう感じる人におすすめしたいのがトヨタ「アクア」です。

トヨタ アクアは、最新の「GA-B」というプラットフォームを土台に、ヤリスよりも50mm長い2600mmというホイールベースを確保。そのため後席や荷室はヤリスよりも明確に広く、特に不自由なく使うことができます。そしてWLTCモード燃費も、さすがに「燃費のおばけ」であるヤリス ハイブリッドよりは少しだけ劣りますが、それでもFF車の場合で33.6km/Lという「準おばけ」と評価できる超絶燃費をマークします。

内外装のデザインがやや地味なのが玉にキズかもしれませんが、そこを「落ち着きがあって好ましい」と思えるのであれば、トヨタ アクアは相当おすすめなハッチバック系コンパクトカーです。

第5位 トヨタ「ヤリス クロス」(SUV系)

第5位 トヨタ「ヤリス クロス」(SUV系)をイメージした画像

ベーシックなハッチバック系コンパクトカーは便利で経済的な、なんとも素晴らしい“相棒”ではありますが、人間というのは「便利さ」「経済的であること」だけを求めて生きているわけでもないはず。ほかのさまざまなことも求めているはずで、そのなかには「どうせなら流行りのSUV系に乗りたい」という思いもあるはずです。

そう思った場合のおすすめは、まずはトヨタ「ヤリス クロス」ということになるでしょう。

ヤリス クロスは、その名のとおりヤリスをベースに作られたSUV系のコンパクトカーで、
ボディサイズはヤリスよりもひと回り大きな全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm。後席はヤリス同様に決して広いとはいえないのですが、高さがある分だけ、かなり座りやすくなっています。また後席背もたれの4:2:4分割可倒機構や荷室の使いやすさなどは、ハッチバックのヤリスを明らかに上回っています。

大きくなった分、さすがにWLTCモード燃費はヤリスよりも劣る28.1km/Lですが(※ハイブリッドGの場合)、SUVでこれだけ走ってくれれば御の字であるといえるでしょう。

第6位 トヨタ「ライズ」(SUV系)

第6位 トヨタ「ライズ」(SUV系)をイメージした画像

ヤリスと比べれば広く感じられるヤリス クロスの車内ですが、それでも「もう少し広くないと困る」思う方もいるでしょう。特に大柄な人が運転席あるいは後席に乗る場合は、ヤリス クロスよりももう少し大きめなSUV系コンパクトカーが欲しくなるものです。
そしてそんな場合には、同じくトヨタのコンパクトSUVである「ライズ」がいいのではないかと思います。

トヨタ ライズのボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmですので、全長と全幅はヤリス クロスのほうが長くて広いのですが、後席居住空間の余裕はライズのほうが断然上です。コンパクトな車ではありますが、ライズの後席は1クラス上のSUVにも匹敵するほど広いため、身長180cmほどの人であっても余裕をもって座ることが可能です。

後席背もたれの分割可倒機構がヤリス クロスのような4:2:4ではなく、一般的な6:4であるのが惜しいところではありますが、「ボディサイズの割に広く使えるSUV系コンパクトカー」として、トヨタ ライズは大いにおすすめできる一台です。前述のように執筆時点では販売停止中なので興味のある方は最新の状況をご確認ください。


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第7位 トヨタ「シエンタ」(ミニバン系)

第7位 トヨタ「シエンタ」(ミニバン系)をイメージした画像

コンパクトカーといえども3列シートが欲しい、つまり「ミニバン」がいい――という場合には、コレが一番でしょう。2022年8月に発売となった5ナンバーサイズの3列シート車です(※2列シート・5人乗り仕様もあり)。

全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mmの小さなミニバンであるため、大家族や荷物の多い人には向きませんが、多くのミニバンユーザーは、普段は1人から3、4人ぐらいの乗車人数で車を使い、2列目や3列目のシートには「空気」だけを乗せている――ということもあるはずです。もしもご自身がそういった「空気を運んでる系」である場合には、トヨタ「シエンタ」ぐらいのサイズ感でも何ら問題はなく、むしろコンパクトゆえに取り回しがラクになってうれしい……的な結果になることも十分考えられます。

1.5Lガソリンエンジンまたはハイブリッドシステムがもたらすパワー感や走りの質に、特筆すべき部分はあまりありませんが、シートアレンジ等を含めてとにかく便利な車であり、デザインも内外装ともにハイセンス。便利でジャストサイズな“箱”を求めている人には、大いにおすすめしたい一台だといえます。

第8位 ホンダ「フリード」(ミニバン系)

第8位 ホンダ「フリード」(ミニバン系)をイメージした画像

筆者おすすめの第7位とさせていただいたトヨタ「シエンタ」とおおむね同寸で、おおむね同一のキャラクターを備えるミニバン系コンパクトカーです。1.5Lのガソリンエンジンと、1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを用意しているという部分もシエンタと同じで、「2列シートで5人乗りの仕様もある」という点も同じです。

そして前述のトヨタ シエンタは2022年の8月に登場したばかりの新しい車で、こちらホンダ「フリード」は2016年9月デビューの「古い車」です。そのため、設計年次が新しいトヨタ シエンタのほうが基本的にはおすすめとなるのですが、ホンダ フリードも改良によって熟成の度合いを上げていますし、そもそもシエンタとは趣がずいぶん異なる「きわめてオーソドックスなエクステリアデザイン」が、ホンダ フリードという車の大きな魅力でもあります。

デザインの好みは人それぞれでしょうが、もしも「オーソドックスな感じのほうが落ち着く」というのであれば、ミニバン系コンパクトカーにおいては「あえてフリードを選ぶ」という選択も十分に合理的です。

第9位 スズキ「ソリオ」(トールワゴン系)

第9位 スズキ「ソリオ」(トールワゴン系)をイメージした画像

ミニバン系のコンパクトカーも素敵ではありますが、「我が家の場合はもう少し小さめな2列シート車でも十分だ」というのであれば、ミニバン系ではなく「トールワゴン系」のコンパクトカーがおすすめとなります。

そしてそのなかでもおすすめとなるのはスズキ「ソリオ」でしょう。

全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mmというかなりコンパクトな車ではあるのですが、車内は想像以上に広く、また走りも非常にしっかりしています。「走りうんぬん」というのは実用的なコンパクトカーにおいてはあまり重要視されない部分かもしれませんが、やはり走りがいい車はそもそも安全に走れる可能性が上がりますし、「飽きずに運転し続けられる」という意味でも、安全に寄与するものです。

最高出力91psの1.2L直4エンジンにモーター機能付き発電機と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドのパワートレインはさほどパワフルではありませんが、車全体のバランスが非常に良いため、数値から想像する以上に快適かつ安全に走らせることが可能です。


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第10位 ホンダ「ヴェゼル」(SUV系)

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トヨタ ヤリス クロスやライズあたりよりも大きめなSUV系コンパクトカーを狙いたい場合には、ここで推奨するホンダ「ヴェゼル」以外に日産「キックス」という選択肢もあります。ヴェゼルよりほんの少し小さいもののおおむね同寸となる日産 キックスもなかなか悪くない車であり、特に後席と荷室の広さは特筆に値します。またe-POWERによる力感もなかなかのものです。

しかし日産 キックスは新興国向けのプラットフォームを使用している関係で、乗り味における上質感のような部分では、明らかにホンダ ヴェゼルに分があります。もちろん何をどう選ぶかは人それぞれのご自由なわけですが、もしも全長4.3m級のSUV系コンパクトカーを買うとしたら、筆者としてのおすすめはホンダ ヴェゼルになります。特に、パワフルで燃費良好なハイブリッドシステムを採用している「e:HEV」系のグレードがおすすめです。


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コンパクトカーを選ぶならハイブリッドなのか?

エンジンに電気モーターを組み合わせる「ハイブリッドシステム」を採用しているコンパクトカーは燃費が良いため、普通に考えれば「絶対におすすめ!」であるように思えます。が、本当にそうなのでしょうか? 考えてみることにしましょう。

日々の燃費を重視したいなら、やはりハイブリッドが断然おすすめ

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もしもあなたが「日々の燃料代を抑えること」を最重要視したいのであれば、ハイブリッドシステムを採用しているコンパクトカーを選ぶべきでしょう。それも、マイルドハイブリッドと呼ばれる小型のモーターがエンジンをちょっとサポートするタイプではなく、ストロングハイブリッドまたはフルハイブリッドと呼ばれる「短距離であればモーターだけでも走行可能なハイブリッド車」「エンジンは発電用で走行はモーターのハイブリッド車」がおすすめとなります。

カタログに記載されているWLTCモード燃費値と、実際に公道を走る際の燃費は必ずしも一致するものではありませんが、例えばトヨタ ヤリスの場合、ハイブリッド車であれば特にエコドライビングを意識しないでも25km/L以上の実燃費をマークできるはずですが、ガソリン車の場合はおおむね15km/L前後でしょう。この差はデカいといえます。

またフルハイブリッド車は実燃費に優れるだけでなく、エンジンに電気モーターの強力な力が加わることで「胸のすく加速」などが楽しめるという利点もあります。公道をガンガン飛ばすことは推奨できませんが、やはり思い通りの加速ができたほうが気持ちはいいですし、速度調整を行いやすい車は、車線の合流時などでも安全に走ることが可能になります。


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ユーザーの使い方次第では「ハイブリッドじゃないやつ」のほうが向いている場合も

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とはいえ、「コンパクトカーを買うなら絶対にフルハイブリッドのほうがいい」とも言い切れないのも事実です。

なぜならば、まずは「ハイブリッドはそもそも車両価格が高めである」という部分がネックになります。

例えばミニバン系コンパクトカーであるトヨタ シエンタの場合、1.5Lのガソリンエンジンを積む「G」というグレードのFF車は車両価格230万円で購入可能ですが、「ハイブリッドG」のFF車だと車両本体価格は265万円まで跳ね上がります。燃費は確かにハイブリッドGのほうが良好ですが、35万円の価格差をガソリン代だけで取り戻すには、ずいぶんと時間がかかるでしょう。

またその燃費にしても、市街地でストップ&ゴーを繰り返すような走り方をする場合は、ハイブリッド車は圧倒的な低燃費をマークすることができます。しかし「高速道路を延々走り続ける」というような走り方だとハイブリッドシステムの燃費面における優位性は薄れ、ガソリン車との差が少なくなってきます。コンパクトカーは主に市街地で使う場合のほうが多いでしょうが、もしも高速道路での使用をメインに考えているのであれば、無理にハイブリッド車を買う必要はないともいえます。

そしてハイブリッド車は、エンジンのほかにバッテリーやモーターなどの重量物を搭載するため、どうしても車両全体の重量が増え、その結果として「動きの軽快感に欠ける」ということにもなりがちです。

このように「一長一短がある」としか言いようがないのがハイブリッド車とガソリン車の関係ですので、「コンパクトカーを選ぶなら“絶対に”ハイブリッド」と断言することはできません。


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専門家直伝!コンパクトカー選びの満足度を上げるポイントはココ!

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購入すべき車種を決めた後も、我々は「グレード」を決定しなければいけませんし、そのほかにも「どんなオプション装備を付けるべきか(または付けないべきか)」なども検討しなければなりません。そのあたりはどう考えるのが正解なのか、専門家が解説します。

まずは「中間グレード」から検討を始めるのが定石

一概には言えないのですが、コンパクトカーのグレードは「上級」「中間」「廉価」の3種類で構成されている場合が多いものです。そのなかの「廉価グレード」は、まぁシンプルで素敵という見方ができなくもないのですが、レンタカーチックな見た目である場合も多く、そして「最低限コレは欲しい」という装備が付いていなかったりもしますので、基本的にはおすすめしません。

そして「上級グレード」は、装備もビジュアル的な加飾も充実しているのはいいのですが、場合によっては充実しすぎていて、シンプルさが持ち味であるコンパクトカーの良さを、「派手すぎる」「高すぎる」などによって殺してしまうケースも散見されます。

そのため、もちろんケース・バイ・ケースではあるのですが、基本的には「中間グレード」から検討を始め、そこにどうしても不満を感じてしまう場合は上級グレードも検討する――という流れがよろしいでしょう。

運転支援機能は充実させたいが、コンパクトカーには不要な機能もある

コンパクトカーにおいて「あるとうれしい装備」は、やはり運転支援システム関係でしょう。アクセルやブレーキのペダルを踏み間違え、壁などに向かって突進してしまうことを防いでくれる装置や、歩行者や自転車などに対して自動的にブレーキをかけてくれる装置、運転席から死角になる部分を映像で映してくれたり、そこに何かがあれば警告音と発してくれたりする装置などは、「いくら充実していてもしたりない!」といえるほどです。このあたりについては、コンパクトカーといえども妥協すべきではありません。

しかしアダプティブ・クルーズ・コントロール(高速道路で前方の車両を自動で追従してくれて、車種によっては渋滞時の手放し運転も可能になる装置)は、正直やや微妙です。もちろんアダプティブ・クルーズ・コントロールは付いていたほうが便利なことは間違いないのですが、「自分はコンパクトカーではあまり高速道路を走らない。主に自宅近所で乗るだけである」というような場合には、アダプティブ・クルーズ・コントロールはほぼ無用の長物となります。標準装備であるならいいのですが、オプションとして無理に装着する必要はあまりないでしょう。

またこれは余計なお世話かもしれませんが、特にハッチバック系のコンパクトカーでシルバーやホワイト系のボディカラーを選ぶと、どことなく「営業車感」がただよってしまうこともあります。先ほどもいったとおり本当に余計なお世話なのですが、ハッチバック系コンパクトカーの場合は「比較的あざやかな色味」を選んだほうがいいと思いますし、またそういったあざやかな色が似合うのが、コンパクトカーというものでもあります。



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【まとめ】コンパクトカー選びは「経済性」と「満足度」が絶妙に釣り合うポイントを探す

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コンパクトカーは、まず第一に「基本的には車体そのものが安価」であり、それにプラスして燃費や維持も安く済む場合が多いため「何かと経済的」な乗り物です。しかし、だからといって決して「ショボい安物ばかり」ということはなく、1クラス上の車の質感や装備に迫るクオリティと存在感を有しているコンパクトカーも数多く存在しています。そのあたりのバランスを上手にとれば、つまり「経済性」と「満足度」が絶妙に釣り合うポイントを探すようにコンパクトカーを選べば、きっと便利で豊かな、そして経済的でもあるカーライフが送れることでしょう。

※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています

よくある質問

Q1コンパクトカーとはどんなものですが?

A:唯一の明確な定義はありませんが、一般的には「全長4.2m以下/全幅1.7m以下/排気量1.5L以下」の、軽自動車以外の2BOX車が「コンパクトカー」と呼ばれています。

Q2コンパクトカーにはどんなボディタイプがありますか?

A:ひと昔前はハッチバックタイプが主流でしたが、近年はそれだけでなく「トールワゴン系」「ミニバン系」「SUV系」などにも細分化されています。

Q3コンパクトカーを買うならハイブリッド車を選ぶべきですか?

A:日常の燃費においてはハイブリッド車のほうが断然有利であることは間違いありませんが、使い方(乗り方)次第では「安価なガソリン車のほうが逆に経済的」ということもありえます。

この記事の執筆者・監修者


伊達軍曹
モータージャーナリスト

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。

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