カーローン一括返済の注意点をFPが解説!手順やベストなタイミングは?

更新日:2024.01.05
カーローンの一括返済について

カーローンの一括返済には利息による負担を抑えられ、返済総額を減らせるメリットがあります。その一方で、一括返済にはいくつか注意点があるため、利用するかどうかは慎重に判断しなければなりません。

そこで、カーローン一括返済のメリットとデメリットや、一括返済で損をしないためのポイント、向いているタイミングなどについてファイナンシャルプランナーの伊藤真二さんの解説とともにご紹介します。併せて、乗換えや廃車で一括返済を行う際に、負担を抑えて好きな車に乗り換えられる方法も見ていきましょう。


ファイナンシャルプランナー・伊藤真二

ファイナンシャルプランナーの伊藤真二です。カーローンは毎月決まった額を返済し続けるよりも、一括で返済したほうがお得だと考える方が多くいらっしゃいます。しかし、すべてのケースでそうとは言い切れません。 一括返済を検討する際はどのような点に注意すべきか、詳しく解説していきます。



【この記事のポイント】
✔カーローンは契約後、早い段階で一括返済できれば返済総額を減らせる
✔一括返済は高額な手数料がかかったりタイミング次第で損したりすることもある
✔乗換えや廃車で一括返済をする際は、初期費用0円で新しい車を用意できる方法がおすすめ


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カーローンの一括返済とは?

カーローンの一括返済とは?

カーローンの一括返済とは、借入金のすべてを一度に清算する方法です。一括返済と似た方法に、借入金の一部だけを繰り上げて返済する繰上返済もあります。

一般的に、カーローンは返済期間が短ければ短いほど返済回数が減り、利息総額も抑えられるため、繰上返済よりも一括返済のほうが返済総額は安くなります。ただし、一括返済は一度にまとまった金額を返済することになるので、経済的にゆとりがあるときに行うことが大切です。

なお、カーローンを完済する前に車を売ったり買い替えたり、廃車にしたりしたいときは、残金を一括返済するようローン会社から求められることもあります。


ファイナンシャルプランナー・伊藤真二

カーローンの一括返済は、家計に余裕があるときに検討すべきものです。残債を一気になくすことで、余分な利息を支払わなくてよくなる点はメリットといえますが、無理をして一括返済をしてしまうと家計を圧迫してしまいかねません。 日々の生活を安心して送るためには、余剰資金もある程度手元に残しておくことが大切です。そのため、一括返済をしてもなお、ゆとりを持って暮らせる家計状況のときに行うようにしましょう。


カーローンを一括返済するメリット・デメリット

カーローンを一括返済するメリット・デメリット

カーローンの一括返済には、返済総額を減らせること以外にもいくつかメリットがあります。一方で注意すべきデメリットもあり、一括返済をしたからといって必ずしも良い結果になるとは限りません。
カーローンを一括返済すべきか適切な判断をするためにも、メリットとデメリットの両方を確認しておきましょう。

カーローンを一括返済するメリット

カーローンを一括返済するメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

利息が減り返済総額が安くなる

カーローンでは返済期間が長くなるほど上乗せされる利息は膨らみ、返済総額も高くなります。一括返済を行えば短縮できた期間分の利息を減らすことにつながり、返済総額を安くできます。
また、一括返済をするとその後の返済はなくなり、月々の返済がなくなることで車関連のコストは維持費だけとなるため、家計の負担も減らせるでしょう。

車の売却や乗換えができるようになる

ディーラーローンの場合、カーローンを完済するまで車の所有権は貸し手側にあるのがほとんどです。そのため、返済中は自由に車を売ったり乗り換えたりすることは基本的にできません。
しかし、一括返済によってカーローンを完済すれば所有権を得られるため、車も自由に扱えるようになります

ほかのローンを組みやすくなる

カーローンを含めて、個人で組めるローンに関する契約内容や返済状況、借入額などの個人情報は信用情報機関に登録されています。
新たなローンへの申込みがあると各ローン会社は信用情報機関に情報照会を行い、その方に返済能力があるかどうかを判断するのが一般的です。そのため、すでに組んでいるローンの返済状況によっては、新たなローンの審査に落ちてしまう可能性もあります。

カーローンの一括返済によって借入額を減らし、また、返済実績も積むことで、ほかのローンを組みやすくできるでしょう。

カーローンを一括返済するデメリット

カーローンの一括返済には次のようなデメリットがあるため、利用は慎重に判断する必要があります。

手元の資金が一気に減る

一括返済は残債を一度で清算するため、まとまった資金が必要となります。そのため、ボーナスや臨時収入があったときに利用する方が多いです。

資金に余裕がない状態で一括返済をすると、手元の資金が一気に減ってしまうため注意しなければなりません。突然のケガや病気、冠婚葬祭など、予期せぬ大きな出費が必要となったときの備えは別途確保しておく必要があるでしょう。

高額な手数料がかかることがある

カーローンの契約者が一括返済をすると、ローン会社は利息による収入が減ってしまいます。そのため、一括返済の手数料が設けられている場合も少なくありません。

特にディーラーと提携する信託会社やクレジットカード会社などが提供するディーラーローンは、高額な一括返済手数料がかかるケースが多いです。手数料はローン会社ごとに異なるため、かえって損をしてしまうことのないよう確認しておきましょう。

タイミングによっては返済総額が安くならない可能性がある

一括返済をするタイミングによっては、必ずしもお得な結果になるとは限りません。というのも、残りの返済期間が短いときや残債が少ない場合は、大きな利息の軽減は期待できないためです。場合によっては手数料による負担が、軽減できる利息分を上回ってしまうこともあります


ファイナンシャルプランナー・伊藤真二

カーローンの一括返済を検討してみたものの、家計への負担が心配な場合は、一部繰上返済を行うのも有効です。残債のすべてをなくすことはできませんが、返済期間を短くすることで利息の支払額を軽減できます。 なお、一部繰上返済には返済期間短縮型と返済額軽減型の2種類があります。より利息負担の軽減効果を得られるのは返済期間短縮型のほうなので、目先の返済額を抑えたいとき以外はこちらを選ぶといいでしょう。


カーローンの一括返済で損をしない方法は?

カーローンの一括返済で損をしない方法は?

カーローンは一括返済したからといって、必ずしもお得にローンを完済できるとは限りません。一括返済をするタイミングや金利の精算方法によっては、かえって損をしてしまう可能性もあります。
そこで、カーローンの一括返済で損をしないための2つのポイントを見ていきましょう。

早めのタイミングで一括返済する

カーローンの利息は元金に金利を掛けて算出されるので、一括返済するタイミングが早いほど利息負担を軽減できます。そのため、すでに返済期間が半分以上経過している場合は注意が必要です。一括返済を行うのは、契約後1年以内であればメリットにつながる可能性が高いでしょう。

例えば、返済期間3年間(36回返済)のカーローンで200万円を借り入れる場合、金利を4.0%とすると返済総額は約213万円です(頭金・ボーナス払いなし)。

一方、返済開始から11ヵ月のタイミングで130万円分を一括返済すれば、返済総額は207万円ほどに抑えられます。利息総額が約60,000円安くなるため、もし一括返済手数料が10,000円と高額だとしてもお得な結果になることがわかります。

金利を実質年利方式で精算する

一括返済を検討する際は、契約したカーローンの返済方式もチェックしましょう。金利の精算方式には「実質年利方式」と「アドオン方式」があり、返済総額を抑えられるのは実質年利方式となります。

実質年利方式

月々の返済額が元本の返済に充当されます。残高に対して金利を掛け合わせるため、返済初期は利息額が高く、返済が進むほど利息による負担も減っていきます。したがって、一括返済をすれば返済総額を軽減できます。

アドオン方式

あらかじめ計算した利息総額を元本に加えて、返済回数で割って月々の返済額を算出します。最終回まで利率が変わらないため、途中で一括返済をしても返済総額は変わりません


ファイナンシャルプランナー・伊藤真二

一括返済を検討する際は、利息額などのシミュレーションを必ず行うようにしましょう。知識がないと難しいと思われる方もいるかもしれませんが、ネット上にあるシミュレーターを使えば、必要項目を入れるだけで簡単に計算できます。その上で、具体的な数字に基づき、家計状況も踏まえながら一括返済をするかどうかの判断をすれば、大きく失敗してしまうことはないでしょう。



カーローンの一括返済に不安を感じている方や、月々の負担をもっと減らして車に乗りたいと考えている方は、カーリースへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

カーリースは利息負担なしの分割払いで新車に乗れるため、一括返済などを気にする必要もありません。
まずは下のバナーから車のプロへ相談してみましょう。


平日10:00~19:00(土日祝・年末年始休み)

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カーローンを一括返済する手順

カーローンを一括返済する手順

細かい手続きは金融機関やローン会社によって異なりますが、カーローンを一括返済する際の基本的な流れは同じです。ただ、返済期間中の車の所有権については銀行系ローンとディーラーローンで異なり、必要な手続きも変わるため、併せてチェックしておきましょう。

1. ローン残高を確認する

まずは、現時点でローンの残高がいくらなのかを確認しましょう。また、一括返済をして本当にお得なのかをシミュレーションしたり、一括返済を行いたい日までに問題なく資金を用意できるのかを確認したりします。

2. 一括返済を申し込み、入金する

一括返済を申し込む方法はローン会社によって異なります。ローン会社によっては「ネット申込みなら手数料がお得」というケースもあるため、メリットの大きい方法を確認しておきましょう。

入金については、銀行系ローンは契約者本人が窓口へ通帳と印鑑を持参して手続きするのが一般的です。ディーラーローンは口座振込で入金できる場合もあります。

3. 車の名義を自分に変更する(ディーラーローンの場合)

ディーラーローンで購入した車は、基本的に返済期間中の所有権が貸し手側にあります。そのため、一括返済で完済したら、車の名義を自分自身に変更する必要があります。
なお、名義変更は次のような必要書類とともに、陸運局へ申請します。

・申請書
・譲渡証明書
・旧所有者の印鑑証明書と委任状
・新所有者の印鑑証明書と委任状
・新所有者の車庫証明書
・自動車検査証
・手数料納付書 など

一方、銀行系ローンの場合は、車の所有権は一般的に契約者にあるため、名義変更の必要はありません。ただし、完済前に必ず所有者の名義を車検証などで確認しておきましょう。


ファイナンシャルプランナー・伊藤真二

車の名義変更は、行政書士に代行を依頼することもできます。煩雑な手続きは苦手という方や、忙しくて時間が取れないという方は検討してみるといいでしょう。 ただし、代行費用は依頼する行政書士によって大きく異なり、中には50,000円以上かかる場合もあります。一括返済による大きな出費が発生した後なので、それを踏まえて依頼すべきかどうか、慎重に検討したほうがいいでしょう。


カーローンの一括返済を検討するべきタイミング

カーローンの一括返済を検討するべきタイミング

カーローンの一括返済にはデメリットもあり、どのような場合でもお得になるとは限りません。家計状況や今後の車の扱いを踏まえて、一括返済すべきタイミングかどうかを慎重に判断する必要があります。
ここでは、カーローンの一括返済を検討するべき3つのタイミングを見ていきましょう。

手元の資金に余裕があるとき

カーローンの一括返済を検討する際は、資金に十分な余裕があることが前提となります。ボーナス時期や臨時収入があったときで、かつ大きな出費の予定もしばらくないといった、経済的に余裕のあるタイミングに検討するのがいいでしょう。

返済総額を減らせるとはいえ、一括返済を行うと一気に手元の資金が減るため、完済後の生活費と緊急時用の貯金は別途確保しておくことが大切です。

廃車にするとき

返済途中であっても、事故などによって車を廃車にしなければならないときは、ローン会社から一括返済を求められるのが一般的です。これは、完済するまで契約者は車を勝手に手放せないためです。

もし一括返済が難しい場合は、ローンの借換えを行って、次に購入する車のローンと廃車にする車のローンの残金を合算する方法があります。返済総額は増えますが、一度にまとまった資金を用意する必要がない点がメリットです。

売却や乗換えをしたいとき

廃車にする場合と同じく、カーローンを完済するまでは基本的に車を勝手に売ったり乗り換えたりすることはできません。そのため、完済前に車の売却や乗換えを行いたい場合も、一括返済をするのが一般的です。
なお、前述したとおり、ディーラーローンの場合は完済後に車の名義変更が必要になり、売却や乗換えの手間に加えて多くの手続きが発生します。


ファイナンシャルプランナー・伊藤真二

繰り返しにはなりますが、カーローンはそもそも無理なく返済していくための手段として選んだものであり、一括返済したことで、生活が苦しくなってしまっては、意味がありません。 その後のライフイベントなども加味して、一括返済をするかどうか、慎重に検討しましょう。


一括返済後でも安心!手元資金に余裕を残しながら希望の新車に乗り換える方法

カーリースの「おトクにマイカー 定額カルモくん」なら、日本最安水準の月々10,000円台から国産新車に乗れるということを表した図

今借りているカーローンを一括返済して乗換えを検討している方や、廃車などで一括返済せざるをえなくなった方にとって、乗り換える車の初期費用は大きな負担になるでしょう。
そのようなときは、初期費用不要のカーリースを利用すれば、一括返済後でも手元資金に余力を残しながら希望の新車に乗り換えることが可能になります。

一括返済後の乗換えにカーリースが適している理由について、「おトクにマイカー 定額カルモくん」を例に見ていきましょう。

初期費用不要!まとまった資金がなくても毎月の負担を抑えて新車に乗れる

定額カルモくんは、契約者が希望する車を代わりに購入して、一定期間、定額料金で貸し出すしくみの車のサブスクサービスです。
月々支払う定額料金には車両本体価格のほか、各種税金や手数料などが含まれているため、初期費用を支払う必要がありません。定額料金だけで新車に乗り始められるので、一括返済をした後でも、予算を理由に乗りたい車をあきらめずに済むでしょう。

なお、定額カルモくんでは業界最安水準の月額11,220円から人気車種の新車に乗れます。初期費用も、乗り続ける上で発生する諸費用も別途負担する必要なく、カーローンよりも月々の負担を抑えながらカーライフを送ることも可能です。

金利の概念がないから利息が膨らむ心配もない

定額カルモくんは車の使用権を付与するサービスで、金銭を貸し付ける金融商品ではないため、金利の概念がありません。そのため、カーローンのように金利の変動で支払額が変わるといった心配もありません。

最初から最後までずっと定額で安心して新車に乗れて、一括返済などを気にする必要もなくなります。なお、乗換えの際は車を返却するだけなので、売却などの手間も省けます。

オプション追加で乗っていた車をそのままマイカーにできる

定額カルモくんでは、原則として最初に決めた契約期間を満了した際に車を返却することになりますが、長く乗り続けたい場合や、月額料金を長期的に支払い続けることがネックに感じる場合などは、「もらえるオプション」を利用して、リース車をマイカーにすることも可能です。

もらえるオプションは7年契約以上の全車種が対象で、月額料金に500円をプラスするだけで、契約満了時にそのまま車をもらえます。名義変更の手続きを済ませた後は月々の支払いなく車に乗り続けられる上、売却なども自由に行えるようになります。



定額カルモくんでは、先に審査結果を確認できる「お試し審査」が用意されています。予算に近い仮の車種で審査を行い、通過後にじっくりと車種選びができるため、負担を抑えた車選びも可能になります。
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カーローンの一括返済は経済的な余裕とシミュレーションが必須!

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カーローンの一括返済は、タイミングや返済状況によってはそこまで大きなメリットは期待できません。一括返済をすべきか悩んだときは必ずシミュレーションを行い、手数料を支払ってでもお得になるのか検討してみましょう。

なお、乗換えや廃車などで一括返済を行う場合は、次の車の購入資金も検討しておく必要があります。
一括返済のまとまった出費に続いて、新しい車の車両本体価格の1~2割程度となる初期費用を支払わなければならないため、資金の兼ね合いで希望の車種に乗れないこともあるでしょう。

その点、定額カルモくんなら初期費用不要で、維持費も込みで月額10,000円台から好きな新車に乗れるので、一括返済後でも、資金の心配なく車選びを楽しめます。
まずはお試し審査で、希望の車種にいくらで乗れるのか確認してみてはいかがでしょうか。


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※この記事は2022年10月時点の情報で制作しています

よくある質問

Q1カーローンでお得に一括返済するポイントは?

A:経済的に十分な余裕があるタイミングで、かつ返済開始から1年以内であれば一括返済による効果が期待できます。その際、返済が進むほど利息による負担も減る「実質年利方式」で契約していることがポイントです。また、一括返済の手数料を踏まえても本当にお得になるのかシミュレーションしておきましょう。

Q2カーローンの一括返済のメリットとデメリットは?

A:メリットは利息が減り返済総額が安くなる、車の売却や乗換えができるようになる、ほかのローンを組みやすくなることです。一方、手元の資金が一気に減る、高額な手数料がかかることがある、タイミングや手数料によっては返済総額が安くならない可能性があるなどのデメリットもあります。

Q3乗換えや廃車でカーローンを一括返済した後、負担を抑えて車に乗れる方法はある?

A:初期費用なしの月額定額制で新車に乗れるカーリースがおすすめです。定額カルモくんなら、税金などの維持費も込みで月額11,220円から好きな新車に乗れるため、一括返済後の予算の中でも希望の車に乗れるでしょう。

この記事の執筆者・監修者


伊藤 真二
監修者、編集者、ライター

伊藤 真二

ファイナンシャルプランナー。介護福祉士資格を所有していることから、老後の暮らしや節約・資産運用など、安心できる未来、無駄のない今を生きるためのご提案を多く行う。 また、ニュースメディア、採用メディア、自動車メディアなどのライター・編集者の経験から記事執筆・監修も広く行っている。

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