安全な軽自動車ランキング!車種別の安全性能比較も

更新日:2024.06.26
安全な軽自動車をランキングで紹介する記事がであることを示した図版

新車販売台数やユーザーの保有台数で約40%を占めている軽自動車。さまざまなボディタイプが用意され、最近ではBEV(電気自動車)も登場するなど、街乗りからロングドライブまでこなす日本人の重要なパートナーとなっています。これだけ多くのユーザーが利用している軽自動車だからこそ、安全性の高さは重要なポイントです。ここでは各車種の安全装備の充実度、第三者機関のテストなどに基づいた“安全な軽自動車ランキング”を紹介します。


【寄稿】
モータージャーナリスト

萩原文博


【この記事のポイント】
✔車の安全性を支える「衝突安全性能」と「予防安全性能」。第三者機関のテストで優秀な結果が“ファイブスター賞”
✔予防安全性能を支える「運転支援機能」はまだ車ごとの装着状況に差がある
✔運転支援機能は日進月歩、安全性を重視するならなるべく早いサイクルでの買い替えも検討したほうがいい


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安全な軽自動車とは

世界の自動車メーカーは、交通事故ゼロを目指して車の安全性能を進化させてきました。日本で約40%を占める軽自動車も、法律の改訂やユーザーのニーズを受け、ボディ骨格の構造強化、運転支援機能の充実などで安全性能は飛躍的に向上してきました。さらに、現在では独立行政法人NASVA(ナスバ)が実施している「自動車アセスメント」(JNACAP)によって各車種の安全性能の客観的な評価が公表されており、安全になった軽自動車の中でも、さらに安全な軽自動車がどれなのかがわかるようになっているのです。

車の安全性を支える「衝突安全性能」と「予防安全性能」

軽自動車にも多くのエアバッグが採用されている

軽自動車にも多くのエアバッグが採用されている(写真:日産)


安全装備と聞くと最近のモノと思うかもしれませんが、その歴史は意外と古く、例えば多くの車が採用している「3点式シートベルト」は1959年にすでにボルボが採用しています。とはいえ、さまざまな安全装備の普及が一気に進んだのは1990年代のこと、「エアバッグ」と「ABS」がその象徴でした。

万が一衝突した場合に風船が膨らみドライバーを守る「エアバッグ」は、当初運転席のみでしたが、その後すぐに助手席用も登場。最初はオプション設定でしたが1990年代半ばには標準装備となっています。その後、後席もカバーするカーテンエアバッグ、前席の人の足を守るニーエアバッグなど様々なエアバッグが開発されました。

滑りやすい路面などでタイヤのロックを防ぎハンドル操作を可能とする「ABS」も1990年代から急速に普及が進んだ技術です。さらに、2000年代に入ると、ABSとトラクションコントロール機能を統合制御する「横滑り防止装置」(ESCやESPなど)が登場し、現在では軽自動車もすべて標準装備となっています。

 

ダイハツ「ミライース」の軽量高剛性ボディ骨格

ダイハツ「ミライース」の軽量高剛性ボディ骨格(写真:ダイハツ)


シートベルト、エアバッグ、ABS も含めて、現在の車の安全性を支える考え方には二つの大きな柱があります。その一つは「衝突安全性能」です。衝突安全性能は1993年の道路運送車両の保安基準改訂で、1994年4月以降に発売される新型車への前面衝突試験が義務づけられたことを受け、自動車メーカー各社衝突安全ボディを採用したことからスタートしました。特にボディサイズに制約のある軽自動車では乗員の生存スペースの確保は非常に大きな問題となり、各自動車メーカーはボディ構造の強化を図りました。

もう一つの柱はこの10年で急速に脚光を浴び始めた運転支援機能と呼ばれる「予防安全性能」です。いわゆる自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)が象徴的ですが、2009年にスバルが発表した“アイサイトver.2”はTV-CFなどに使われた「ぶつからない車」というキャッチコピーとともにスバル車オーナー以外にも受け入れられ、車の安全性に対するユーザーの意識を変えました。アイサイトが画期的だったのは、わかりやすいキャッチコピーに加えてコスト増を最低限に抑えたことです。そしてアイサイト装着車の追突事故減少率の高さも証明され、スバルは販売台数を伸ばします。安全性が商売に繋がることを初めて示したのです。

 

スバルが“アイサイトver.2”で革命を起こした

スバルが“アイサイトver.2”で革命を起こした(写真:スバル)


軽自動車はダイハツと日産が積極的に採用を進めたことで他社も追従し、コンパクトカーなどに比べても早い段階で普及が進みました。さらに最新の軽自動車の中には最先端の運転支援システムを搭載することで、ユーザーのヒューマンエラーをフォローし事故の発生を抑えてくれるものも登場しています。ホンダは運転支援機能がパッケージ化した「ホンダセンシング」によって、いち早く高速道路での追従走行が可能なACC(アダプティブクルーズコントロール)を導入しました。日産・三菱はさらに高速道路でのアクセル、ブレーキ、そしてハンドル操作をアシストしてくれる「プロパイロット」(三菱はマイパイロット)を搭載。センサーによって2台前の車の動きも検知して素早い対応をしてくれます。

アイサイト以前は高級車にしか設定されていなかった運転支援機能は、現在では多くの軽自動車に導入され、軽自動車の安全性は飛躍的に向上しています。依然としてニュースで目にすることの多い高齢者のペダル踏み間違いによる暴走事故も、最新の運転支援機能を採用した車であれば未然に防ぐことができたかもしれません。運転支援機能はドライバーに寄り添いサポートすることで未然に事故を防ぐ、車の安全性を支える大きな柱となったのです。

第三者機関が認めた安全な車の称号「ファイブスター賞」が安全性の高さの目安

 独立行政法人自動車事故対策機構「NASVA」のホームページ画像

独立行政法人自動車事故対策機構「NASVA」のホームページ


自動車メーカー各社、予防安全性能や衝突安全性能は進化させていますが、どのメーカーの安全性が高いのかという客観的な評価がありませんでした。その各安全性能に対して客観的な評価をおこなっているのが、第三者機関である独立行政法人自動車事故対策機構、通称NASVA(ナスバ)です。
https://www.nasva.go.jp/index.html

NASVAは自動車事故対策の専門機関で、ドライバーが納めている自賠責保険や共済といった国の運用益事業です。NASVAは「自動車事故被害者を支える」「自動車事故を防ぐ」「自動車事故から守る」の3つの業務を一体的に実施している組織で、その事業の一つが一般に販売されている自動車の安全性能の評価を行う自動車アセスメント事業です。

 

NASVAのホームページでは車種ごとのテスト結果が公開されている

NASVAのホームページでは車種ごとのテスト結果が公開されている

NASVAのホームページでは車種ごとのテスト結果が公開されている(出典:NASVA


NASVAが行なっている「自動車アセスメント」(JNCAP)は、新車販売されている車に対して様々な安全性能に関する試験を実施、その結果を公表しています。得点の高い車には“ファイブスター賞”というお墨付きが与えられます。

自動車アセスメントで行う試験には、衝突しそうな場合に車が警報を発する、あるいはブレーキを掛けるといったドライバーを支援する様々な「予防安全技術」の評価と、試験車を壁(バリア)に衝突させたり、人の頭部を模したダミーを試験車のボンネットなどに衝突させたりするなど、事故が起きた際に車の乗員や歩行者を守る技術についての「衝突安全性能」の評価があります。さらに、最近では事故が起きた際に通報する装置についての評価も加わりました。

  

 N-BOX、スペーシアなど登場まもない新型車もすでにテストされている(自動車安全性能 ホンダ N-BOX)

N-BOX、スペーシアなど登場まもない新型車もすでにテストされている(自動車安全性能 スズキ スペーシア)

N-BOX、スペーシアなど登場まもない新型車もすでにテストされている(自動車安全性能 ダイハツ タント)

N-BOX、スペーシアなど登場まもない新型車もすでにテストされている(出典:NASVA


最新の「自動車安全性能2023」は、予防安全性能(89点満点)、衝突安全性能(100点満点)、そして事故自動緊急通報装置(8点満点)のそれぞれ評価の得点のすべてを合計すると197点満点となります。予防安全性能と衝突安全性能の総合得点によって★の数がきまり、★の数が多いほど総合的な安全性能が高いということになります。

 

車種ごとのリアルなテスト風景を動画でも見ることが可能だ(スズキ スペーシア))

車種ごとのリアルなテスト風景を動画でも見ることが可能だ(日産 サクラ)

車種ごとのリアルなテスト風景を動画でも見ることが可能だ(ダイハツ タント)

車種ごとのリアルなテスト風景を動画でも見ることが可能だ(出典:NASVA


ただし、自動車アセスメントのテストは、毎年アップデートされ採点方法も変わります。最新の自動車安全性能2023でも「ペダル踏み間違い加速抑制装置」の評価に、歩行者との事故に対応した評価項目が新たに導入されています。このようにテストを行った年によって採点項目が異なるので、横並びでの比較は難しいところ。しかし、どの年でも高得点を獲得した車には、“ファイブスター賞”が与えられますので、安全性の高い車の目安として良いのではないかと思います。

安全な軽自動車に不可欠な装備と安全性能

車の安全性を支える「衝突安全性能」の中心は衝突時の衝撃を制御する衝突安全ボディです。現在では相手車両のみならず対人の場合もダメージを軽減する設計がどの車にも取り入れられています。一方、もう一つの柱の「予防安全性能」ですが、こちらはまだ登場してから日が浅く、進化のスピードが早いこともあってユーザーの理解も今ひとつなのではないでしょうか。ここでは安全な軽自動車に必要とされる装備の中でも、「予防安全性能」を構成する運転支援機能について詳しく解説します。

2009年に導入された“ぶつからない車”によってユーザー意識が変わった

 2009年に導入された“ぶつからない車”によってユーザー意識が変わった について解説する項目の見出し画像

(写真:スバル)


運転支援機能が登場する前の安全装備は、下取りや買取に出す査定の際に評価されませんでした。しかし、2009年にスバルが導入した“アイサイトver.2”は「ぶつからない車」というキャッチコピーのうまさもあって、車の安全性に対するユーザーの意識を変えました。これ以降、運転支援機能が装着されていないと査定が下がるようになったのは記憶に新しいことです。

エアバッグにしてもABSにしても、登場当初は高額だったこともあって高級車から採用が進む歴史でした。しかし運転支援機能を象徴する自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)は、日産やダイハツが軽自動車に積極的に導入し他社が追従。その結果コンパクトカーなどよりも早く普及しました。軽自動車を所有するユーザーにはやはり安全性への不安があったことの裏返しでもありますが、アイサイトの影響がいかに大きかったかということを如実に表しています。

運転支援機能の中でも重視したい3つの機能

運転支援機能の中でも重視したい3つの機能 について解説する項目の見出し画像

写真:日産


現在、最新の軽自動車には様々な運転支援機能が搭載されています。その運転支援機能の中でも重視したいのは以下の3つの機能です。

●ペダル踏み間違い時加速抑制機能
これは急アクセル抑制機能とも言われるもので、ニュースなどで良く目にするアクセルとブレーキペダルの踏み間違いが発生した際に、急発進や急加速を抑制してくれる機能です。最近では前進時だけでなく後退時もサポートしてくれます。

●自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)
運転支援の中では最もベーシックな機能です。当初は前方の車両しか検知できませんでしたが、カメラ技術や画像処理技術の向上によって歩行者や自転車なども検知可能となっています。また、直進時だけでなく交差点の右折時でも作動するタイプもあります。

●車線逸脱警報機能と車線逸脱抑制機能
車線逸脱警報は車両が車線をはみ出す可能性がある場合、警報と表示によって注意を促し車両のはみ出しを回避するよう、ドライバーに注意喚起を行う機能。また、車線逸脱抑制機能は、車両が車線をはみ出しそうになった際にステアリング操作を促す機能で、多くの場合、この2つはセットで装備されています。

ここまで挙げた「ペダル踏み間違い時加速抑制機能」「自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)」「車線逸脱警報機能と車線逸脱抑制機能」が、運転支援機能の中で重視すべき機能だと思いますが、これらはほとんどの車種で標準装備となっています。

このほかでは、高速道路での追従走行が可能な「アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)」とアダプティブ・クルーズコントロール作動時に車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援する「車線維持支援」があればロングドライブの多いユーザーには強い味方です。また家族で1台の車をシェアする際に、特定の人が運転する際に速度制限をしてくれる機能が“プラスサポートキー”機能も最近出てきた機能の中では注目すべきものだと思います。

まだ軽自動車では採用している車種は少ないのですが、ユーザーの車とネットワークをつなぎ、24時間365日“もしも”の時の対応や車から離れている時にもサポートしてくれる「安心」「快適・便利」な機能を提供するコネクテッドサービスも徐々に広がっています。

以下で運転支援機能の詳細と軽自動車への採用状況について解説します。

自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)

自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)

写真:ホンダ


衝突軽減ブレーキ(CMBS)はドライバーの不注意が原因で、歩行者や車などとの衝突のおそれがある場合に、衝突回避または被害軽減を支援する機能です。フロントガラス内に設置されたフロントビューカメラや、フロントグリルまたはバンパー内に設置したセンサーが、前走車と対向車に加え、最近では歩行者や二輪車なども検知します。そして衝突の危険がある場合に、音とマルチインフォメーションディスプレイの表示でドライバーに警告します。それでも衝突の危険が継続しているとシステムが判断した場合は、強いブレーキを掛けて、停止または減速することにより、衝突回避・被害軽減を支援するのです。この衝突被害軽減ブレーキは新車で販売されている軽自動車すべてに標準装備となっています。

アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)

アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)

写真:ホンダ


全車速追従機能付アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)は高速道路などの長距離移動の時に、あらかじめ設定した車速内で車が自動的に加減速の支援を行う機能です。前走車との車間距離を維持しながら追従走行を支援することで、ドライバーの運転負荷を軽減します。ステアリングのスイッチを操作することで設定車速を変更可能で、前走車との車間距離を切り替えられます。

なかには渋滞追従機能付ACCもあり、これは前走車が停止したら自車も自動的に停止できるよう支援する機能です。前走車が発進した場合は、ドライバーによるステアリングのスイッチ操作、またはアクセル操作によって追従走行の支援を再開。高速道路などの渋滞で頻繁に停止と発進を繰り返すときに役立つ機能です。 このホンダの軽自動車には標準装備となっていますが、そのほかのメーカーでは上級グレードのみに標準装備となっています。

ペダル踏み間違い時加速抑制(誤発進抑制制御)

ペダル踏み間違い時加速抑制(誤発進抑制制御)

写真:ホンダ


ペダル踏み間違い時加速抑制(誤発進抑制制御)は、前方に障害物があるにもかかわらずアクセルペダルを強く踏み込んでしまった場合に、フロントウインドウに内蔵されたカメラやフロントバンパーに内蔵されたソナーセンサーによって検知し、エンジンの出力を抑制して急発進を抑え、衝突のおそれがあることを音とメーター内の表示で警告します。警告は音とマルチインフォメーションディスプレイの表示で行います。

また前方だけでなく、後方の誤発進も抑制する機能もあります。これが「後方誤発進抑制機能」です。自車の後方に障害物があるにもかかわらず、シフトレバーが「R」の状態でアクセルペダルを強く踏み込んでしまった場合に、エンジンの出力を抑制して急な後退加速を抑え、音とメーター内の表示で警告する機能です。このペダル踏み間違い時加速抑制(誤発進抑制制御)は、毎日のようにニュースで流れる高齢者のペダル踏み間違いによる暴走を防ぐ効果のある装備で、軽自動車のすべてで標準装備となっています。

車線逸脱警報(LDW)

 車線逸脱警報(LDW)

写真:ホンダ


車線逸脱警報(LDW)は車両が車線をはみ出す可能性がある場合、警報と表示によって注意を促し、車両のはみ出しを回避するよう、ドライバーに注意喚起を行う機能です。この機能は、あくまでも警報で注意喚起を行うだけで、アシスト操作は行いません。ふらつき走行を防ぐ機能で、この車線逸脱警報(LDW)も軽自動車では標準装備となっています。

車線維持支援(LKA)

車線維持支援(LKA)

写真:ホンダ


車線維持支援システム(LKA)は高速道路での長距離移動の時、車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援しドライバーの運転負荷を軽減する機能です。カメラで車線(実線・破線)を検知し、車が車線の中央付近を維持して走行するようステアリング操作を支援します。ステアリング制御は車線の中央付近を走行している時には弱く支援し、車線(実線・破線)に近寄るほどステアリング制御は強くなります。車線逸脱のおそれがある場合は、ステアリング振動とメーター内の表示で注意を促すとともに、車線の中央付近へ戻すようにステアリング操作を支援します。

車線維持支援システム(LKA)は、アダプティブ・クルーズコントロールと同時に装備されていることが多く、ホンダの軽自動車では標準装備となっていますが、そのほかのメーカーでは上級グレードに標準装備となっています。

後側方車両検知警報(BSM)

 後側方車両検知警報(BSM)

写真:日産


後側方車両検知警報(ブラインドスポットモニター=BSM)は、隣の車線を走行する車両をレーダーで検知する機能です。ドアミラーの死角になって確認しにくい、後側方エリアに存在する車両。そして隣接する車線の最大約60m後方までモニターし、急接近してくる車両を検知します。車両を検知すると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターが点灯。その際、ウインカーを操作するとLEDインジケーターが点滅しドライバーに注意を促します。この後側方車両検知警報(ブラインドスポットモニター)は便利な機能ですが、全長が短い軽自動車での普及率は低く、ダイハツタントやムーヴキャンバス、日産のデイズがオプションで設定しているくらいです。

後退時後方車両接近警報(RCTA)

 後退時後方車両接近警報(RCTA)

写真:日産


後退時後方車両接近警報(RCTA)は、車両後側方に設置されたレーダーセンサーで後方を横切ろうとする車両を検知し、衝突する恐れがある場合に警報によってドライバーに注意を促す機能です。警報音とともに、ドアミラーなどにある表示灯によってドライバーに衝突回避をするように促します。この後退時後方車両接近警報(RCTA)も軽自動車での普及率は低く、日産のデイズがオプションで設定しているくらいです。

事故自動緊急通報(SOSコール)

 事故自動緊急通報(SOSコール)

写真:スズキ


事故自動緊急通報(SOSコール)は、急病やあおり運転との遭遇など、緊急時には走行中でもスイッチを押すだけで、専門のオペレータに接続し、警察や消防に連絡し、緊急車両の手配をサポートする機能です。スイッチを押すと車の位置情報も、オペレータへの接続と同時に共有されます。また、事故の際にはエアバッグ展開と連動しオペレータに自動通報されます。この事故自動緊急通報(SOSコール)はホンダN-BOXをはじめ、スズキや日産の一部のグレードに採用されています。


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安全な軽自動車ランキングTOP10

1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
ホンダ N-BOX
(ファイブスター賞)
日産サクラ
(ファイブスター賞)
三菱eKクロスEV
(ファイブスター賞)
日産デイズ
(ファイブスター賞)
日産ルークス
(ファイブスター賞)
スズキスペーシア ダイハツムーヴキャンバス ダイハツタント 三菱eKスペース 三菱eKワゴン スズキアルト スズキワゴンRスマイル ホンダN-ONE ダイハツタフト スズキハスラー
自動車安全性能
(実施年度)
2023 2022 2022 2020 2021 2023 2022 2023 2021 2020 2022 2022 2021 2020 2020
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得点率 91% 92% 91% 92% 92% 86% 80% 81% 88% 88% 74% 74% 80% 85% 77%
総得点 181.20/197 184.92/199 182.04/199 175.72/190 176.54/190 169.75/197 161.04/199 159.63/197 168.54/190 167.72/190 148.57/199 147.36/199 163.16/190 161.68/190 146.93/190
予防安全性能総合評価
ランク A A A A A A B A A A B B B B B
得点率 96% 88% 88% 88% 86% 96% 80% 89% 86% 88% 77% 75% 76% 83% 77%
予防総合得点 85.58/89 88.31/100 88.31/100 88.60/100 86.54/100 85.82/89 80.62/100 79.27/89 86.54/100 88.60/100 77.98/100 80.62/100 76.41/100 83.18/100 77.41/100
衝突安全性能総合評価
ランク A A A A A B A B A A B B A A B
得点率 87% 97% 94% 96% 100% 75% 88% 80% 100% 96% 77% 79% 93% 95% 84%
衝突総合得点 87.62/100 88.62/91 85.74/91 79.12/82 82.00/82 75.93/100 80.42/91 80.37/100 82.00/82 79.12/82 70.60/91 72.34/91 76.75/82 78.50/82 69.52/82
事故自動緊急通報装置装備確認
得点率 100% 100% 100% 100% 100% 100% 装備なし 装備なし 装備なし 装備なし 装備なし 装備なし 装備なし 装備なし 装備なし
得点 8/8 8/8 8/8 8/8 8/8 8/8
運転支援装備の比較
衝突被害軽減ブレーキ=自動ブレーキ
(検知対象)
車両・歩行者・自転車 車両・歩行者・自転車 車両・歩行者・自転車 車両・歩行者 車両・歩行者 車両、歩行者、自転車、自動二輪車 車両・歩行者 車両・歩行者 車両・歩行者 車両・歩行者・自転車 車両・歩行者 車両・歩行者 車両・歩行者・自転車 車両・歩行者 車両・歩行者
アダプティブ・クルーズコントロール=ACC ◎(全車速) ○(全車速) △(全車速) △(全車速) △(全車速) △(全車速) △(全車速) △(全車速) △(全車速) △(全車速) - △(全車速) ◎(全車速) △(全車速) ◎(全車速)
ペダル踏み間違い時加速抑制=誤発進抑制制御
車線逸脱警報=LDW
車線維持支援=LKA - - -
後側方車両検知警報=BSM - - - - - - - - - - - -
後退時後方車両接近警報=RCTA - - - - - - - - - - - - - -
事故自動緊急通報 - - - - - - - - -

予防安全性能と衝突安全性能の総合得点により★の数が決まり、★の数が多いほど総合的な安全性能が高いことを表します。★★★★★から★までの5段階です。
年度により評価内容の変更に伴う配点の変更があるため、安全性能について年度が異なる車種との点数の大小による直接比較は出来ません。

ここでは、自動車アセスメント(JNCAP)の結果を踏まえて、現在新車で販売されている軽自動車の中から安全性能が高い軽自動車のトップ10を決定しました。前述のように自動車アセスメントのテスト内容は毎年アップデートされており、単純に点数で比較できませんので、テスト内容がほぼ同じである2020年以降に絞っています。さらに筆者が実際に乗った感覚や運転支援機能の性能などを考慮し、ランキングしました。

新車販売台数No.1を続ける軽自動車のベストセラーモデル、ホンダ「N-BOX」がこのランキングでもトップとなりましたが、そのほかのランキングインした車種を見ると、日産と三菱車が多くなっているのが特徴です。その一方で、軽自動車の主力メーカーであるスズキやダイハツのランクインが少なくなっています。それでは、安全な軽自動車トップ10にランクインした車種の安全装備について解説しましょう。

第1位:ホンダ「N-BOX」

ACCなどがパッケージ化された「ホンダセンシング」を標準装備

第1位:ホンダ「N-BOX」 ACCなどがパッケージ化された「ホンダセンシング」を標準装備

安全な軽自動車ランキングでNo.1としたのは2023年10月に登場した現行型ホンダ「N-BOX」です。プラットフォームやパワートレインは旧型からのキャリーオーバーですが、数多くの改良が施されています。エンジンは細部の制御を見直すことで扱いやすさを向上させています。組み合わされるトランスミッションのCVTは、変速制御を細部まで見直し、ドライバーの意図しないG(加速度)の変化まで抑制、これまで以上に無駄な動きをしない上質な走りを実現しています。

そのほか、電動パワーステアリングの制御方式の変更をはじめ、フロントサスペンションアライメントの適正化、フロント&リアサスペンションの結合適正化を実施しています。さらにターボ車ではフロント&リアバンパーの減衰力を変更し、乗り心地や操縦安定性、ステアリングフィールを向上しています。

 

第1位:ホンダ「N-BOX」 ACCなどがパッケージ化された「ホンダセンシング」を標準装備

安全装備では、広い水平画角のフロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーで周囲を監視する先進の安全運転システム「ホンダセンシング」を全グレードに標準装備。新機能である近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を加えた全13の機能でドライバーの運転をサポートします。高速道路での追従走行が可能なアダプティブ・クルーズコントロールを標準装備しているのはN-BOXだけです。

また、新世代コネクテッド技術を採用した車載通信モジュール「ホンダコネクト」をホンダの軽自動車として初採用。より安心・快適なカーライフが楽しめるコネクテッドサービス「ホンダトータルケアプレミアム」を利用できます。

自動車アセスメント2023の結果でも予防安全性能がAランクの96%、衝突安全性能もAランクの87%。そして事故自動緊急通報装置も先進型100%の総合評価91%でファイブスター賞に輝いています。


N BOX_新車バナー


第2位:日産「サクラ」

インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)が魅力

第2位:日産「サクラ」 インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)が魅力

2022年5月に登場した軽BEV(電気自動車)の日産「サクラ」を安全な軽自動車ランキング第2位としました。サクラは日産「デイズ」をベースとしたハイトワゴンで、総電力量20kWhの駆動用バッテリーを搭載し、満充電時の走行可能距離はWLTCモードで180km。エアコンなどを使用した実走行距離は約160km程度です。
搭載しているモーターは、最高出力は64ps、最大トルクは195Nm。軽自動車に搭載されているターボエンジンと最高出力は同じですが、最大トルクは約2倍。車両重量も約200kg重いものの、ターボエンジンよりもはるかにスムーズで静かに加速するのが特徴です。


第2位:日産「サクラ」 インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)が魅力

運転支援システムは「360°セーフティアシスト」を採用し、前方をはじめ、側方、駐車時などの運転サポートを行います。サクラは運転支援機能のためにフロントウインドウ内に設置されたカメラと、フロントバンパー内にあるミリ波レーダーの2種類のデバイスを装備しています。2つのデバイスを採用した結果、自車から見えない2台前の車両の急減速を検知する「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を搭載。減速が必要と判断した場合にはディスプレイ表示とブザーでドライバーに注意を促し、ブレーキの踏み遅れによる玉突き事故回避を支援するこの機能が秀逸です。

また、高速道での高速走行と長時間の巡行走行によるドライバーの負担を軽減する「プロパイロット」、そしてプロパイロットを使用しての走行中に予期せぬ事象が発生し、ハンドル操作が一定時間検知されず、かつメーター表示や音による警告にもドライバーの意識反応が得られなかった時には、ハザードを点灯して徐々に減速し停止する「プロパイロット緊急停止支援システム」(SOSコール機能付)は他車を一歩リードする最先端の機能です。

自動車アセスメント2022の結果でも予防安全性能がAランクの97%、衝突安全性能もAランクの88%。そして事故自動緊急通報装置も先進型100%の総合評価92%でファイブスター賞に輝いています。

第3位:三菱「eKクロスEV」

サクラの兄弟車。予防安全性能が若干下がるもののファイブスターに輝く

第3位:三菱「eKクロスEV」 サクラの兄弟車。予防安全性能が若干下がるもののファイブスターに輝く

三菱「eKクロスEV」は、日産「サクラ」の兄弟車として2022年5月に登場しました。eKクロスEVは総電力量20kWhの駆動用バッテリーを搭載し、満充電時の走行可能距離はWLTCモードで180kmを実現しています。運転支援システムもサクラと同様の最新鋭のシステムを搭載。運転支援機能のデバイスには、フロントウインドウ内設置されたカメラとフロントバンパー内にあるミリ波レーダーを採用。高度な運転支援機能である高速道路同一車線運転支援システム「マイパイロット」を採用したうえ、スムーズな車庫入れをサポートする「マイパイロットパーキング」を採用。この機能は、駐車可能位置を自動で検知し、後退して駐車、前進しての駐車、縦列駐車のいずれも対応しています。

さらに、安全・安心で快適なカーライフをサポートする「MITSUBISHI CONNECT」を採用。万が一のSOSコールをはじめ、駆動用バッテリー残量やドアの開閉状況が確認できるマイカーステータスチェック、離れたところからエアコンが開始できる今すぐエアコンなどの便利な機能でカーライフをサポートしてくれます。


第3位:三菱「eKクロスEV」 サクラの兄弟車。予防安全性能が若干下がるもののファイブスターに輝く

自動車アセスメント2022の結果では、予防安全性能がAランクの94%、衝突安全性能もAランクの88%。そして事故自動緊急通報装置も先進型100%の総合評価91%でファイブスター賞に輝いています。

第4位:日産「デイズ」

軽自動車ではじめて事故自動緊急通報装置を採用

第4位:日産「デイズ」 軽自動車ではじめて事故自動緊急通報装置を採用

安全性の高い軽自動車で第4位としたのが、2019年3月に登場した日産「デイス/デイズハイウェイスター」です。グレード構成は初代同様標準車とスポーティなハイウェイスターの2モデルを用意していて、外観デザインだけでなく、装備でも差別化を図っています。現行型デイズは、新開発のプラットフォーム、エンジン、CVTを採用。加えて、新たにリチウムイオンバッテリーを搭載したスマートシンプルハイブリッドを搭載することで、高い動力&燃費性能を両立しています。

 

第4位:日産「デイズ」 軽自動車ではじめて事故自動緊急通報装置を採用

現行型デイズに搭載される先進安全装備のデバイスは、デビュー当初フロントウインドウ内設置されたカメラだけでしたが、2020年8月の一部改良でフロントバンパー内にあるミリ波レーダーを追加し、高度な支援も可能となりました。衝突回避および被害軽減をサポートする「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、走行中車線を逸脱しそうになると、注意喚起とハンドル操作を支援する「インテリジェントLI&LDW」、そして「踏み間違い衝突防止アシスト」など充実。自車から見えない2台前の車両の急減速を検知する「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」も搭載し、減速が必要と判断した場合にはディスプレイ表示とブザーでドライバーに注意を促し、ブレーキの踏み遅れによる玉突き事故回避を支援する機能を採用。加えて、デイズハイウェイスターには「プロパイロット」も搭載しています。

また、交通事故や急病などの緊急時や事故の危険がある時に、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話が可能なSOSコールを軽自動車として初めて搭載しました。

自動車アセスメント2020の結果では、予防安全性能がAランクの96%、衝突安全性能もAランクの88%。そして事故自動緊急通報装置も先進型100%の総合評価92%でファイブスター賞に輝いています。


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第5位:日産「ルークス」

N-BOX同等の高い安全性を確保したスーパートールワゴン

第5位:日産「ルークス」 N-BOX同等の高い安全性を確保したスーパートールワゴン

2020年に登場した現行型日産「ルークス/ルークスハイウェイスター」が安全性の高い軽自動車で第5位です。グレード構成はデイス同様、標準車とスポーティなハイウェイスターの2モデルを用意していて、外観デザインだけでなく、装備でも差別化を図っています。現行型デイズで採用した新開発のプラットフォーム、エンジン、CVTを採用。加えて、新たにリチウムイオンバッテリーを搭載したスマートシンプルハイブリッドを搭載しています。


第5位:日産「ルークス」 N-BOX同等の高い安全性を確保したスーパートールワゴン

運転支援機能のデバイスはフロントウインドウ内設置されたカメラとフロントバンパー内にあるミリ波レーダーです。自車から見えない2台前の車両の急減速を検知する「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を搭載。減速が必要と判断した場合にはディスプレイ表示とブザーでドライバーに注意を促し、ブレーキの踏み遅れによる玉突き事故回避を支援する機能を採用しています。加えて、衝突回避および被害軽減をサポートする「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、走行中車線を逸脱しそうになると、注意喚起とハンドル操作を支援する「インテリジェントLI&LDW」、そして「踏み間違い衝突防止アシスト」など充実。

さらにルークスハイウェイスターには「プロパイロット」も搭載しています。また、交通事故や急病などの緊急時や事故の危険がある時に、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話が可能なSOSコールの用意もあります。

自動車アセスメント2021の結果では、予防安全性能がAランクの100%、衝突安全性能もAランクの86%。そして事故自動緊急通報装置も先進型100%の総合評価92%でファイブスター賞に輝いています。


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第6位:スズキ「スペーシア」

カメラ+ミリ波レーダー&超音波センサーの採用で支援機能の質を向上

第6位:スズキ「スペーシア」 カメラ+ミリ波レーダー&超音波センサーの採用で支援機能の質を向上

第5位まではファイブスター賞に輝いたモデルでした。安全な軽自動車第6位は2023年11月に登場した現行型スズキ「スペーシア」です。現行型スペーシアはリアシートにマルチユースフラップをスズキで初めて採用。フラップの位置や角度を調整することにより、3つのモードを選べ、使い方に合わせて多彩なアレンジが可能となっているのが特徴です。


第6位:スズキ「スペーシア」 カメラ+ミリ波レーダー&超音波センサーの採用で支援機能の質を向上

現行型スペーシアの運転支援システムはデバイスにカメラ、ミリ波レーダー、そして超音波センサーを採用した新しい衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を搭載し、安全性を向上しています。検知する対象は直進時の車両、歩行者、二輪車に加えて、右左折時の歩行者や自転車、右折時の自動二輪車も検知可能となっています。

また、アダプティブ・クルーズコントロール(ACC)は、設定した車間距離を適切に保ちながら加速・減速、さらに停止まで自動追従。高速道路や自動車専用道路での長距離運転や渋滞走行時の発進・停止を頻繁に繰り返す状況などで、運転操作の負担を軽減します。カーブの手前で減速する「カーブ抑制機能」、方向指示レバーと連動して自動で加減速を行いスムーズな追い越しや安全な合流をサポートする「車線変更時補助機能」などユニークな機能も搭載しています。

現行型スペーシアには、コネクテッドサービスの「スズキコネクト」も採用。これは「スズキ緊急通報」や「スズキトラブルサポート」をはじめとした各種アプリサービスに加え、スズキコネクト加入者があらかじめ登録した家族などとシェアできる機能も追加されています。またメモリーナビとの連携により警告灯の点灯や無償修理などの通知をナビ画面に表示できるうえ、スズキトラブルサポートへの発信やコネクテッドサービスの一時停止・停止解除がナビ画面上で操作可能です。

自動車アセスメント2023の結果では、予防安全性能はAランクの96%なものの、衝突安全性能はフルラップ前面衝突時の運転席、オフセット前面衝突時の運転席と後席の成績が今ひとつでBランクの75%。事故自動緊急通報装置は先進型100%の総合評価86%で★4つとなっています。


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第7位:ダイハツ「ムーヴキャンバス」

オプションながら軽自動車では珍しいブラインドスポットモニターを用意

第7位:ダイハツ「ムーヴキャンバス」 オプションながら軽自動車では珍しいブラインドスポットモニターを用意

2022年7月に登場した現行型のダイハツ「ムーヴキャンバス」が安全な軽自動車の第7位です。ムーヴキャンバスは、女性ユーザーをメインターゲットに、ライフスタイルを楽しむ女性に寄り添うデザイン性と機能性を両立した新感覚スタイルワゴンがコンセプト。現行モデルではキュートなデザインの「ストライプス」に加えて、上質で落ち着いた世界観の「セオリー」を設定することで、幅広いユーザー層へアピールしています。搭載しているエンジンも自然吸気とターボの2種類を用意し、車両重量の重いムーヴキャンバスをスムーズに加速させます。


第7位:ダイハツ「ムーヴキャンバス」 オプションながら軽自動車では珍しいブラインドスポットモニターを用意

ムーヴキャンバスはフロントカメラ内に設置したステレオカメラによって、周囲の状況を把握し、ドライバーの運転をサポートするダイハツの予防安全機能「スマアシ」を採用。人と車両を検知する衝突回避支援ブレーキをはじめ、17種類の予防安全機能を搭載しています。

また、全車にオプションとして、軽自動車ではレアなブラインドスポットモニターを設定しているのが特徴です。ムーヴキャンバスは最新のダイハツコネクトも採用。スマートアシストの作動回数を過去7日分表示し、安全運転を促進する「スマアシレポート」、ドアロックやハザードランプ消灯忘れ等をスマートフォンに通知する「うっかりアシスト」を新設定するなど“コネクティビティ”機能も充実しています。

自動車アセスメント2022の結果では、予防安全性能がAランクの88%、衝突安全性能はフルラップ前面衝突時の運転席の成績が振るわず、またオフセット前面の後席も今ひとつでBランクの80%。そして事故自動緊急通報装置は装備なしの総合評価80%で★4つとなっています。


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第8位:ダイハツ「タント」

17種類の予防安全機能に加えブラインドスポットモニターの用意も

第8位:ダイハツ「タント」 17種類の予防安全機能に加えブラインドスポットモニターの用意も

2019年に登場したダイハツ「タント」シリーズが、安全な軽自動車第8位です。現行型タントはダイハツの新世代の車づくりである「DNGA」を採用した第1弾モデル。サスペンションや骨格の部品をゼロベースで再構築したプラットフォームをはじめ、エンジンやトランスミッションなど一新した意欲作です。また、タントのアイコンであるミラクルオープンドアを発展されたミラクルウォークスルーパッケージを採用しています。


第8位:ダイハツ「タント」 17種類の予防安全機能に加えブラインドスポットモニターの用意も

タントはフロントカメラ内に設置したステレオカメラによって、周囲の状況を把握し、ドライバーの運転をサポートするダイハツの予防安全機能「スマアシ」を採用。人と車両を検知する衝突回避支援ブレーキをはじめ、17種類の予防安全機能を搭載しています。また、全車にオプションとして、軽自動車ではレアなブラインドスポットモニターを設定しています。

自動車アセスメント2023の結果では、予防安全性能がAランクの89%、衝突安全性能はフルラップ前面衝突の運転席、オフセット前面の後席の成績が今ひとつでBランクの80%。そして事故自動緊急通報装置は装備なしの総合評価81%での★4つとなっています(衝突安全性能の結果は2019年のもの)。


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第9位:三菱「eKスペース」

事故自動緊急通報装置の装備がないためファイブスターに届かず

第9位:三菱「eKスペース」 事故自動緊急通報装置の装備がないためファイブスターに届かず

安全性の高い軽自動車で第9位は2020年に登場した三菱「eKスペース」です。2023年の一部改良で「eKクロススペース」は「デリカミニ」へとブランドチェンジしており、現在はeKスペースのみとなっています。第5位の日産ルークス/ルークスハイウェイスターの兄弟車なので、基本的な装備はほぼ同じです。


第9位:三菱「eKスペース」 事故自動緊急通報装置の装備がないためファイブスターに届かず

ただし、eKスペースには事故自動緊急通報装置が装備されておらず、ファイブススター賞を獲得できませんでした。自動車アセスメント2021の結果では、予防安全性能がAランクの100%、衝突安全性能もAランクの86%。そして事故自動緊急通報装置は装備なしの総合評価88%で★4つとなっています。


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第10位:三菱「eKクロス/ワゴン」

デイズと互角のポテンシャルをもつが違いは事故自動緊急通報装置

第10位:三菱「eKクロス/ワゴン」 デイズと互角のポテンシャルをもつが違いは事故自動緊急通報装置

安全な軽自動車第4位の日産「デイズ/デイズハイウェイスター」の兄弟車が、2019年3月に登場した三菱「eKクロス/eKワゴン」です。基本的な安全装備は、デイズ/デイズハイウェイスターと同じですが、こちらには事故自動緊急通報装置が設定されていないので、8点が加算されず、★4つにとどまりました。しかし、デイズ/デイズハイウェイスター同様、プラットフォームをはじめ、エンジンなどがすべて刷新されています。


第10位:三菱「eKクロス/ワゴン」 デイズと互角のポテンシャルをもつが違いは事故自動緊急通報装置

また先進の運転支援システムでは、高速道路などで追従走行などが行える「マイパイロット」を採用するなど軽自動車の中でもトップレベルの安全性を誇っています。自動車アセスメント2020の結果では、予防安全性能がAランクの96%、衝突安全性能もAランクの88%。そして事故自動緊急通報装置は装着なしで総合評価88%の★4つとなっています。


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「安全な軽自動車」選びにおける注意点


センサーの性能や制御技術は日進月歩。軽自動車に限らず、安全性を追求するのであればやはり新車が有利です。

常に最新の運転支援機能を搭載した新型車に乗り続けることが安全な軽自動車の選び方

TVニュースなどでよく目にする交通事故のニュースの中で、ペダルの踏み間違いによる痛ましい事故はなかなか減りません。こういった事故の原因の多くは高齢者によるヒューマンエラーと運転支援機能が採用されていない年式の進んだ車という組み合わせです。

運転支援機能は日々進化していて、新しいモデルほど機能が充実しているだけでなく、性能が向上しています。一部に「充実した運転支援機能はドライバーをダメにする」という声もありますが、ユーザーがいつまでも出掛けることの自由を維持するためには運転支援機能は、なくてはならないものとなっています。また、こういった装備が充実することで自動運転の道筋ができるのではないでしょうか。

常に最新の安全装備を搭載した車に乗り続けることができれば、ヒューマンエラーが原因の事故は減らせるかもしれません。そのためには、車の所有の仕方を変えるという考え方もあるかと思います。

これまで、自動車は購入し廃車まで乗るのが一般的でした。こうした所有の仕方をすると、どうしても運転支援機能の劣った旧い車に乗り続けることになります。しかし、最近のカーリースや残価設定ローンというような期間を限定して所有する方式であれば、数年後ごとに最新鋭の運転支援機能を搭載した新型車に乗ることができるのです。

たしかに、モノを大切にするという考え方は大切ですが、カーリースや残価設定ローンというのは、次のユーザーへ引き継いでもらうものなので、決してモノを大切にしていないということではありません。少しでも自由に移動することを望むのであれば、車選び以上に所有の仕方を考えてみることも大切かもしれません。

安全な軽自動車を負担少なく手に入れる方法

安全な軽自動車を負担少なく手に入れる方法 について解説する項目の見出し画像

先進の安全性能が搭載された車に乗りたいものですが、そうした車ほど新しく、価格も高くなります。また車を買うときには、車の本体価格のほかに10~20%程度の初期費用が必要です。

ですが、そのような大きな負担なく、安全性の高い車を手にする方法としておすすめしたいのがのがカーリースです。
なぜならカーリースの場合、車両価格から残価が引かれるので車両価格として支払う費用が安く抑えられます。つまり「予算オーバー」と思っていた車を無理なくマイカーにできるのがカーリースなのです。

言い換えるなら、カーローンとカーリースを比べたとき、毎月の支払は同じ金額だとしてもリースのほうが高価な車に乗れることがあるのです。


カーローンとカーリースについて月々の支払額と乗れる車の違いを表したイメージ図


カーリースの中でもおすすめは「定額カルモくん」です。定額カルモくんは
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※この記事は2024年5月時点の情報で制作しています

よくある質問

Q1軽自動車は安全ではないのでしょうか?

A:一見、ボディサイズの小さな軽自動車は、万が一の事故の際には安全ではないように感じるかもしれません。そういった不安を払拭するのが、NASVAが行っている自動車アセスメント(JNCAP)です。軽自動車、普通車という区別をすることなく同じ検査を行うことで、客観的な安全性の評価を行っています。万が一の事故を想定した衝突安全性能、運転支援機能の評価を行う予防安全性能でも車種によっては普通車と変わらない結果を出しています

Q2一番安全な軽自動車は?

A:NASVAが行っている自動車アセスメント(JNCAP)でファイブスター賞に輝いた車は安全性が高いと言えます。軽自動車ではホンダ「N-BOX」、日産「サクラ」「デイズ/デイズハイウェイスター」「ルークス/ルークスハイウェイスター」、そして三菱「eKクロスEV」「eKスペース」「eKクロス/eKワゴン」が受賞しています。これらの車種が安全な軽自動車と言えるでしょう。

Q3一番頑丈な軽自動車は?

A:最近の軽自動車のほとんどがモノコックという骨格を採用しています。頑丈という点では軽自動車では数少ないラダーフレーム構造を採用したスズキ「ジムニー」が頑丈といえるかもしれません。ラダーフレームはトラックやSUVの一部に採用されている構造で、非常に頑丈です。

この記事の執筆者・監修者


萩原文博
モータージャーナリスト

萩原文博

中古車雑誌編集部を経てフリーランスとして独立、現在はAJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員として多くのメディアで執筆中。日本で最も多くの広報車両を借り出している男として業界で有名だ。もともと走り屋だけに走行性能の評価は得意。それだけでなく長年の中古車相場の研究で培った、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

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