カーリースは節税対策になる?経費計上の仕組みと購入との違いを解説

執筆者・ 監修者
伊藤 真二ファイナンシャルプランナー/編集長
更新日:2026.07.15

法人や個人事業主が仕事で使用する車は、購入するよりもカーリースのほうが節税の効果は高く、税金対策になるといわれています。
では、なぜカーリースのほうが、節税効果が期待できるのでしょうか。事業用の車を手に入れる際の、購入とカーリースの経費の計上方法を比較しながら解説します。
また、カーリースには節税効果以外にも、法人や個人事業主にとってメリットが豊富です。経費計上できる項目や、事業用車をリースする前に知っておきたい注意点とあわせて見ていきましょう。
【この記事のポイント】
✔ 月額料金を全額経費計上できるカーリースは、節税につながる
✔ カーリースは減価償却が不要で、経費処理の手間も減らせる
✔ カーリースは初期費用がかからず、維持費も定額化できるのが強み
目次
カーリースで節税対策!法人や個人事業主におすすめの3つの理由

カーリースは、カーリース会社が購入した新車に、契約者が毎月定額の利用料金を支払って乗ることができるサービスです。法人や個人事業主が事業用の車をリースすると、自社の車として自由に使ったり管理したりすることができます。
まずは、カーリースが法人や個人事業主の節税対策におすすめな、3つの理由について見ていきましょう。
全額経費として計上できる
カーリースで事業用の車に乗る場合、月額料金を全額そのまま経費計上できます。一方、事業用の車を購入しても、全額を経費にすることはできません。
例えば、ローンで事業用車を購入した場合、毎月のローン返済のうち経費にできるのは利息分のみで、元金の返済は経費になりません。車両の購入代金は資産として計上し、別途、法定耐用年数に応じて減価償却していく必要があります。
事業用車だから購入年に全額経費計上できると考えてローンで車を購入すると、節税できずにかえって納税額が高くなる可能性もあるため注意してください。
一方、カーリースでは、月額料金に各種税金や自賠責保険料も含まれており、このような維持費もすべて経費として計上できます。経費計上できる金額が大きい分、節税効果も期待できるでしょう。
減価償却がいらない
カーリースで支払うリース料は減価償却が不要で、毎月の料金をその年にそのまま経費にできます。会計処理がシンプルになるのも、事業用車をカーリースにするおすすめポイントのひとつです。
法人や個人事業主が事業用車を購入した場合は、減価償却が必要になります。減価償却とは、10万円以上で購入した資産を、その資産の法定耐用年数のあいだ、毎年分割して経費計上していく会計処理方法です。
事業用に購入した新車の法定耐用年数は、普通車で6年間、軽自動車で4年間と定められています。そのため、購入した場合は車両の代金を購入した年に全額経費にはできず、何年もかけて少しずつ減価償却していくことになります。
一方、カーリースなら毎月のリース料をその都度、全額経費にでき、減価償却の計算も必要ありません。経費処理の手間を抑えられるため、節税対策に取り組むうえでも負担が少なくて済みます。
経費処理が簡単になる
事業用として使う車も自家用車と同様に、車検代や各種税金、自賠責保険料、各種メンテナンス代などがかかります。
車を購入した場合、こうした車関連のコストも経費として計上できますが、各費用を経費計上するためには明細や領収書を保管しなければなりません。さらに、費用項目によって経費計上する際の勘定科目も細かく仕分ける必要があり、経費処理には手間がかかります。
その点、カーリースは、リース料金に各種税金や自賠責保険料をはじめとした諸費用が含まれており、プランによっては車検代やメンテナンス代も組み込むことができます。
そのため、経費計上に必要な明細や領収書の保管の手間もなく、勘定科目も「リース料」だけで済むため、手軽に経費処理を進めることができるでしょう。また、経費の計上漏れを防ぎやすくなるため、本来計上できる経費を確実に経費化でき、結果として節税にもつながります。
節税効果に影響するカーリースと購入の経費計上の違い

カーリースと購入とでは、経費計上の方法に大きな違いがあります。続いて、購入の場合に必要となる減価償却の仕組みと、その計算方法の種類を確認しておきましょう。
計算方法によって毎年経費にできる金額やその年の節税効果が変わるため、車を購入する場合に知っておきたいポイントです。
購入の場合は必要になる減価償却
前述したように、事業用の車を購入した場合は、経費計上する際に減価償却が必要になります。減価償却とは、車や不動産など1年以上使用することのできる10万円以上の資産の価値が、年々目減りしていくという考え方に基づいた会計処理の方法です。
新車を購入した時点では、その車には購入価格分の価値があります。しかし、その価値は年々減っていきます。減価償却は、1年ごとに減る金額(価値)が、毎年の経費として計上できる仕組みです。何年かけて減価償却を行うのかは、資産ごとに定められている法定耐用年数によって決まります。
一方、事業用の車のリース料を全額そのまま経費計上できるカーリースでは、減価償却は不要です。
2種類ある減価償却の計算方法
事業用の車を購入した場合に必要となる減価償却には、「定額法」と「定率法」という2種類の計算方法があります。それぞれの特徴を簡単に解説すると、以下のとおりです。
〈減価償却の計算方法〉
・定額法
定額法は、法定耐用年数のあいだ、毎年定額で減価償却していく計算方法です。定率法よりも計算が簡単で、初期費用も少なく済みます。
・定率法
定率法は、法定耐用年数のあいだ、毎年一定の割合で減価償却していく計算方法です。初期に計上できる経費が大きくなるため、定額法よりも節税につながりやすいという特徴があります。
なお、事業用の車を購入し、所有しているのが法人なのか個人事業主なのかによって、原則としてどちらの計算方法で減価償却するのかが決まります。基本的には法人の場合は定率法で、個人事業主は定額法で減価償却をしていきます。
ただし、この計算方法を利用するのは、税務署に届け出をしなかった場合です。法人も個人事業主も、税務署に届け出をすることで、計算方法の選択ができます。
カーリースと新車・中古車購入の節税の違い

事業用の車を購入した場合、新車か中古車かによっても、減価償却を行う耐用年数が異なります。そのため、車の用途や予算、使用する期間などを踏まえて、どのタイプの車を購入するのか、あるいはカーリースを利用するのかを総合的に判断することが大切です。
ここでは、カーリースで新車に乗る場合と、新車と中古車それぞれをローン購入した場合とでは、経費計上の方法や節税効果にどのような違いがあるのかについて解説します。
カーリースで新車に乗る場合
カーリースで新車に乗る場合、毎月定額のリース料金を経費として計上します。また、ローンで事業用車を購入した場合に経費計上できるのは利息分のみですが、カーリースは金利を別途計算する必要がなく、毎月の支払料金の全額を、そのまま経費にすることが可能です。
さらに、自賠責保険は車検に合わせて、2年ごとに加入するのが一般的ですが、購入した場合は1年ごとの保険料を按分して計上するなどの手間がかかります。
しかし、カーリースではこういった維持費も月額料金に含まれているので、さまざまな手間を省くことができるでしょう。
新車をローン購入する場合
法人が新車をローン購入する場合の耐用年数は、普通車は6年、軽自動車は4年となっており、この年数にわたって車両(取得価額)を減価償却していきます。その際、計算方法は基本的に定率法が用いられます。
定率法は、初期に計上できる経費が大きくなるため、購入後の早い年ほど節税効果を受けやすいのが特徴です。なお、減価償却できる総額自体は、定額法と変わりません。減価償却では、国税庁の定める法定耐用年数に応じた償却率を使って計算しなければならず、会計処理も複雑になります。
ちなみに、車をローン購入した場合、利息分は別途経費計上することになります。車の購入費用は「固定資産」、ローンは「負債」として別々に計上され、月々の返済をすることで負債も減っていく仕組みです。
中古車をローン購入する場合
法人が中古車をローン購入する場合、耐用年数は次の簡便法という計算式で算出します。
〈中古資産の耐用年数の計算式〉
耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2
なお、1年未満の端数は切り捨てとなります。最短耐用年数は2年になるため、新車よりも中古車のほうが短期間で減価償却でき、節税効果も期待できるのです。新車と同様に定率法を用いるため、初年度に高い金額を減価償却することになります。また、ローンの利息分も別途経費計上します。
このように、新車よりも中古車のほうが節税では有利になり会計処理も簡易化できますが、中古車であるという点をデメリットに感じる方も多いでしょう。
事業用車はカーリースのほうが会計も節税も有利
新車や中古車を購入すると、ローン返済の記帳や費用ごとの勘定科目が増え、会計処理が複雑になりがちです。
一方、カーリースは維持費も月額料金にまとめられ、勘定科目は「リース料」が中心でシンプル。リース期間中はずっと経費計上でき、節税効果も続きます。
会計の手間を抑えながら節税につなげたい法人・個人事業主の方は、自社に合った車種やプランを以下のボタンから確認してみましょう。
カーリースで経費にできる項目とできない項目
カーリースが節税対策になるのは、月額料金の多くを経費として計上できるためです。ただし、すべてが無条件に経費になるわけではなく、事業で使用している分だけが対象になる点に注意が必要です。
カーリースで経費にできる項目とできないおもな項目は、以下のとおりです。
〈カーリースで経費にできるおもな項目〉
・毎月のリース料(車両本体価格・各種税金・自賠責保険料などを含む)
・プランに含まれる車検代・メンテナンス費用
・事業で使用したガソリン代・駐車場代・高速代などの維持費
〈カーリースで経費にできないおもな項目〉
・プライベートで使用した分のリース料・維持費
・駐車違反・スピード違反などの交通反則金・罰金(業務中でも経費にできません)
個人事業主が事業とプライベートで車を兼用する場合は、走行距離や使用日数などの合理的な基準で事業使用分を按分し、その割合分のみを経費として計上します。
一方、法人の社用車のように、プライベートで使わず事業専用で使用する場合は、原則として月額料金の全額を経費にできます。
なお、具体的な按分割合や勘定科目の扱いは、事業の実態によって異なります。判断に迷う場合は、顧問税理士に相談すると安心です。
節税以外のカーリースのメリット

節税効果の高いカーリースですが、ほかにもさまざまなメリットがあります。ビジネスで車が必要な方にとって魅力的な、カーリースならではのメリットを見ていきましょう。
初期費用がかからない
カーリースは、購入時のようにまとまった頭金や初期費用を用意しなくても、月々定額の料金で車に乗り始められます。月額料金には各種税金や自賠責保険料なども含まれているため、税金や登録の費用を別途まとめて支払う必要がないのです。
また、事業用車を複数台用意したい場合、カーリースなら毎月定額のリース料だけで車が手に入るので、一度に多くの資金を捻出する必要がありません。
維持費が月額料金にコミコミ
カーリースの月額料金には、車に乗り続けるために必要な各種税金や自賠責保険料など、維持費の一部も含まれています。購入では、こうした維持費はすべて別途支払う必要があり、手間もかかってしまうでしょう。
さらに、カーリース会社によっては、月額料金に車検代や消耗品の交換費用といった、定期的にかかるメンテナンス費用も組み込めるプランがあるので、車関連の費用の大半をまとめることができ、経費処理を簡略化することが可能です。
乗り換えやすい
カーリースの契約が満了すると、基本的に車は所有権を持つカーリース会社へ返却することとなります。事業用車を乗り換えたい場合は、新たに別の車を契約するだけで手続きが完了します。そのため、売却や特別な会計処理をする必要はありません。
事業が忙しい中でも、時間をかけずに少ない手続きで乗り換えることができるでしょう。
車の知識がなくても利用しやすい
車に詳しくない方が事業用車を購入して管理するとなると、事業に適した車種選びや税金の支払いのほか、点検や整備といった知識が必要です。
しかし、カーリースは、こうした車の知識に不安のある方でも安心して利用しやすいというメリットがあります。サポート体制が充実しているカーリースなら、自社の事業や予算に合っている車種を提案してもらえたり、車検の時期が近づくとお知らせしてもらえたりもします。
また、月額料金には、各種税金や自賠責保険料などの維持費も含まれているため、払い忘れの心配もありません。
「わ」ナンバーじゃない
レンタカーやカーシェアリングで使われる「わ」ナンバーでは、一時的に借りている車とわかってしまいます。会社の信用に影響するのを避けるためにも、事業用の車は一般車と同じナンバーのほうがいいという方もいるでしょう。
その点、カーリースの車は、契約者が中長期的に使用権を持つことから、「わ」ナンバーではなく一般車と同じナンバーが設定されます。
また、カーリース会社によっては、マイカーのようにナンバーに好きな数字を選ぶことも可能です。
事業用車をリースする前に知っておきたい注意点

法人や個人事業主にとって、節税効果が期待できてメリットも多いカーリースですが、契約するにあたって注意しなければいけない点もあります。納得したうえで事業用車をリースするためにも、注意点を確認しておきましょう。
走行距離制限がある
車の価値は走行距離と比例するため、走行距離が長くなるほど車の価値が下がります。そのため、返却を前提とするカーリースでは、毎月の走行距離の上限が設定されています。
なお、走行距離をオーバーした場合は、契約満了時に超過分の料金を請求される可能性もあるため、走行距離制限を守って使用することが大切です。
長距離運転が多く、走行距離がオーバーしないか不安な場合は、走行距離を柔軟に設定できるカーリースを選ぶことをおすすめします。
カスタマイズができない
カーリースの車は、契約満了時に返却しなければなりません。その際、契約者は車を元通りの状態に戻す原状回復義務を果たす必要があります。そのため、リース車は原則として、カスタマイズや元に戻せないような改造はできません。
なお、車体に社名やロゴのステッカーを貼ったり、カーラッピングしたりしたい場合は、あらかじめカーリース会社に相談しましょう。
中途解約ができない
カーリースでは中途解約したり、契約内容を変更したりすることは、原則として認められていません。車の故障や事故などによって中途解約が認められたとしても、自己都合の中途解約と同じように、残り期間分の利用料や違約金を請求されることがほとんどです。
中途解約のリスクを避けるためにも、適切な契約期間を設定して、月額料金や利用規約にも納得したうえで契約を結びましょう。
法人や個人事業主の方におすすめのカーリースカルモくん

カーリースにもさまざまなサービスがありますが、法人でも個人事業主でも使いやすいカーリース会社を選ぶのがおすすめです。
カーリースカルモくんは、法人向けリースはもちろん、個人事業主の方なら個人向けリースの契約が可能なケースがあります。個人向けリースなら、7年以上の契約で月額500円の「もらえるオプション」に加入することで契約満了時にそのまま車をもらえ、原状回復も不要になるため、車を自由にカスタマイズ可能です。
ここでは、カーリースカルモくんの法人・個人事業主向けサービスについて紹介します。
サポートが充実している
カーリースカルモくんでは、車の利用についてのさまざまな疑問や悩みを気軽に相談できるよう、サポート体制が充実しています。そのため、カーリースの知識に不安がある法人の担当者の方でも、安心してご利用いただけます。
また、手続きのほとんどをオンライン上で行えるのも、忙しい方にとってうれしいポイントではないでしょうか。
走行距離を柔軟に設定できる
事業用車をリースするにあたり、走行距離制限をオーバーしてしまわないか不安な方もいるでしょう。カーリースカルモくんの法人向けカーリースでは、月間走行距離の上限を500km、1,000km、1,500km、2,000km、2,500kmと、必要な距離に応じて設定できるため安心です。走行距離が2,500kmを超える場合もご相談ください。
メンテナンス費用もコミコミにできる
カルモくんの法人向けカーリースには、契約期間中の車検代やオイルなどの消耗品の交換費用などを月額料金に組み込んで定額化できるプランがあります。車関連の費用をまとめて経費計上できて節税効果が期待できる上、経費処理も楽に進められるでしょう。
カーリースは節税効果だけでなく、会計処理のしやすさも魅力
カーリースは元々、法人向けサービスとして登場したため、法人利用に適したさまざまなサービスが充実しています。法人や個人事業主の方がカーリースを利用すると、経理担当者の業務効率化につながったり、社内に車に詳しい方がいなくても利用しやすかったりと、節税以外にもさまざまなメリットが期待できるでしょう。
カーリースの利用を検討している法人や個人事業主の方は、サポート体制やプランなどを比較して、自社にとって利用しやすいサービスをお選びください。
※この記事は2022年1月時点の情報で制作しています
よくある質問
- Q1カーリースには節税効果があるって本当?
A:カーリースで事業用車に乗る場合、月額料金の全額を経費計上できます。月額料金には各種税金や自賠責保険料も含まれており、さらに車検代やメンテナンス代なども月額料金に組み込むことができるプランに加入すれば、維持費の大半を経費計上することが可能です。減価償却のような複雑な会計処理も不要で、高い節税効果が期待できます。
- Q2節税以外のカーリースのメリットは?
A:カーリースで事業用車に乗るメリットとしては、頭金などの初期費用が不要な点や、契約満了時に乗り換えがしやすいこと、車について詳しくなくても安心して利用できることなどが挙げられます。また、「わ」ナンバーではなく、一般車と同じナンバーの車に乗れるため、会社の信用度に影響する心配もありません。
- Q3カーリースは経費で落とせる?
A:事業で使用するカーリースの月額料金は、経費として計上できます。月額料金には車両本体価格のほか、各種税金や自賠責保険料が含まれ、プランによっては車検代やメンテナンス費用も経費にすることが可能です。ただし、個人事業主がプライベートでも使用する場合は、事業で使った割合分のみが経費の対象になります。
- Q4事業用カーリースの注意点や落とし穴は?
A:カーリースには、毎月の走行距離に上限がある、原則として中途解約やカスタマイズができないといった注意点があります。営業などで走行距離が多い事業では距離に余裕のあるプランを選び、社名やロゴを入れたい場合は事前にカーリース会社へ相談しましょう。また、事業とプライベートで車を兼用すると、月額料金の全額は経費にできず、家事按分が必要になる点にも注意が必要です。



