【2024年】燃費の良い軽自動車TOP10!プロのおすすめランキングも
更新日:2024.12.062022年の時点で、軽自動車の保有台数は3,000万台以上。これは、日本の自動車の総保有台数の約40%を占めていて、毎日の生活や仕事に軽自動車は欠かせない存在となっています。そこで今回は、老若男女問わず取り回ししやすく、安全装備も充実しているにも関わらず低価格で手に入る軽自動車の中から、燃費性能に優れた車種をピックアップします。
【寄稿】
モータージャーナリスト
萩原文博
【この記事のポイント】
✔軽自動車で最も燃費が良いのはスズキ「アルト」。さらに2位から6位までスズキ車が独占している。
✔スーパーハイトワゴン、SUV、セダンなどのボディタイプ別で比較してもスズキ車が上位に来ているが、唯一軽バンはホンダ「N-VAN」がトップとなっている。
✔プロから見て燃費だけでなく車としても実力が高いおすすめの車種はスズキ「ハスラー」、スズキ「スペーシア」、日産「デイズ」。
- 2024年版 燃費の良い軽自動車ランキングTOP10
- 【タイプ別】燃費の良い軽自動車ランキング
- 燃費も良い!車としても良い!プロのおすすめ軽自動車BEST3
- 燃費の良い軽自動車の適切な選び方と注意点
- 軽自動車の燃費が良くなる乗り方・使い方
- 燃費が良い軽自動車に関するよくある質問
2024年版 燃費の良い軽自動車ランキングTOP10
普通車ではエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車が優れた燃費性能を発揮します。しかし軽自動車はコストの関係から、モーターがアシストするマイルドハイブリッド搭載車が上位にランクインしています。
燃費の良い軽自動車はこれだ!
燃費性能でトップ10をランキングにすると、このようになります。
順位 | 車種名 | 燃費(WLTC) | 価格(最低〜最高) | ボディタイプ |
---|---|---|---|---|
1 | スズキ「アルト」/マツダ「キャロル」(OEM) | 23.5〜27.7km/L | 106.48〜150.04万円 | 軽セダン |
2 | スズキ「アルトラパン」 | 24.6~26.2km/L | 132.88~172.37万円 | 軽セダン |
3 | スズキ「ワゴンR」/マツダ「フレア」(OEM) | 20.9~25.2km/L | 129.47~188.87万円 | 軽ハイトワゴン |
4 | スズキ「スペーシア」/マツダ「フレアワゴン」(OEM) | 19.8~25.1km/L | 153.01~219.34万円 | 軽スーパーハイトワゴン |
4 | スズキ「ワゴンRスマイル」 | 22.5~25.1km/L | 135.19~177.1万円 | 軽スーパーハイトワゴン |
6 | スズキ「ハスラー」/マツダ「フレアクロスオーバー」(OEM) | 20.8~25.0km/L | 136.51~181.72万円 | 軽SUV |
6 | ダイハツ「ミライース」/トヨタ「ピクシスエポック」(OEM) /スバル「プレオプラス」(OEM) |
23.2~25.0km/L | 86.02~137.28万円 | 軽セダン |
8 | 日産「デイズハイウェイスター」/三菱「eKクロス」 | 19.4~23.3km/L | 169.84~208.01万円 | 軽ハイトワゴン |
9 | ホンダ「N-WGN」 | 20.0~23.2km/L | 131.78~191.73万円 | 軽ハイトワゴン |
10 | ホンダ「N-ONE」 | 20.1~23.0km/L | 166.21~208.56万円 | 軽ハイトワゴン |
*OEM車は価格などが異なる場合があります
1位 スズキ「アルト」27.7km/L
現在、新車販売されている軽自動車の中で、燃費No.1に輝いたのは、スズキ「アルト」です。スズキ「アルト」はバッジ違いのOEM車としてマツダ「キャロル」としても販売されています。現行型のスズキ「アルト」は2021年12月に登場。デビュー当初は車両本体価格100万円を切るグレードもありましたが、2023年11月の一部改良で価格はすべて100万円以上となりました。
スズキ「アルト」は軽量・高剛性を両立したプラットフォームに加えて、660cc直3DOHCエンジンにISG(モーター機能付こ発電機)とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムを搭載。その結果、軽自動車で最高の27.7km/Lという燃費性能を実現しています。
2位 スズキ「アルトラパン」26.2km/L
軽自動車で優れた燃費の第2位となったのは、スズキ「アルトラパン」です。2015年に現行モデルが登場した「アルトラパン」は、2014年に登場した先代の「アルト」をベースにメインターゲットを女性に絞り、キュートな外観とホスピタリティの高いインテリアが特徴です。
運転支援機能はアップデートされていますが、搭載されている660cc直3DOHCエンジンのマイルドハイブリッドシステムは26.2km/Lと現行型「アルト」には譲るものの、現在でも第2位と高い実力を誇っています。
「アルトラパン」は通常モデルに加えて、LCと呼ばれるクラシカルなテイストを強調したモデルをラインアップしています。
3位 スズキ「ワゴンR」25.2km/L
優れた燃費の軽自動車、第3位もスズキのハイトワゴン「ワゴンR」が25.2km/Lでラインクインし、スズキ車がベスト3独占となりました。「ワゴンR」はマツダ「フレア」としてOEM供給されています。広い室内が特徴のハイトワゴンのパイオニアであるスズキ「ワゴンR」の現行モデルは、2017年2月に登場。多彩なニーズに応えるため、3種類のモデルラインアップを用意しているのが特徴です。
2022年の一部改良で新グレード、カスタムZが設定され、標準車、スティングレーの3タイプとなりました。搭載されているエンジンは660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、直3DOHCのマイルドハイブリッド仕様が25.2km/Lというハイトワゴンでトップの燃費性能を実現しています。
4位 スズキ「スペーシア」25.1km/L
現在、軽自動車の新車販売ランキングで上位を占めているのが、軽自動車最大級の広い室内空間と利便性の高いリアスライドドアを採用した軽スーパーハイトワゴンです。そんな人気の高い軽スーパーハイトワゴンの中で最も燃費性能が良いのが25.1km/Lのスズキ「スペーシア」です。大きな室内の代償で重くなりがちなスーパーハイトワゴンながら全体でも4位に入っています。「スペーシア」はマツダ「フレアワゴン」としてOEM供給されています。
現行モデルの「スペーシア」は2023年11月に登場。軽量・高剛性のプラットフォームに構造用接着剤など様々な工夫を施し、優れた乗り心地を実現しています。搭載しているエンジンは、660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、新搭載された直3DOHCのマイルドハイブリッド仕様が25.1km/Lというスーパーハイトワゴンでダントツの燃費性能を実現しています。
4位 スズキ「ワゴンRスマイル」25.1km/L
スペーシアと並んで4位となったのがスズキ「ワゴンRスマイル」。ファミリー向けのイメージが強い軽スーパーハイトワゴンのリアスライドドアの利便性はそのままに、車高を低く設定することでパーソナルユースとして仕立てています。2021年8月に登場した「ワゴンRスマイル」は丸いヘッドライトの採用やキルティング生地のような天井などにより癒しが特徴としているモデルです。
搭載しているエンジンは直3DOHCのみで、エントリーグレードを除いた全グレードにマイルドハイブリッド仕様を搭載。このマイルドハイブリッド仕様の2WD車が25.1km/Lという優れた燃費性能を発揮します。マイルドハイブリッドにより、スタート時の加速もスムーズになるので、非常に運転しやすいのが魅力です。
6位 スズキ「ハスラー」25.0km/L
軽ハイトワゴン+SUVのクロスオーバーモデルの人気モデルがスズキ「ハスラー」です。「ハスラー」はマツダにOEM供給され、「フレアクロスオーバー」として販売されています。「ハスラー」の現行モデルは2019年12月に登場。先代スペーシアをベースにボディ剛性の向上や静粛性を高める工夫が施されており、路面状況を選ばない高い走行安定性が特徴です。
エンジンは、660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、全車マイルドハイブリッドが組み合わされています。直3DOHCのマイルドハイブリッド仕様が25.0km/Lという優れた燃費性能を実現。販売開始から3年が経過しても、高い実力に陰りはありません。
6位 ダイハツ「ミライース」25.0km/L
受注を再開したダイハツ軽自動車のベーシックモデル「ミライース」がWLTCモード25.0km/Lでスズキ「ハスラー」に並ぶ第6位にランクインしています。「ミライース」はトヨタ「ピクシス エポック」、スバル「プレオ プラス」としてOEM供給され販売されています。
現行型の「ミライース」は2017年登場と軽自動車の中ではロングセラーモデルとなっています。ライバルは同じセダンのスズキ「アルト」で、メーターパネルの文字表示を大きくするなどメインターゲットとなるシルバー世代に向けた工夫が多く取り入れられています。エンジンは直3DOHCの1種類で、2WD(FF)車が25.0km/Lという優れた燃費性能を実現しています。ダイハツはマイルドハイブリッドがないため、車両重量の軽いミライースだけがランクインとなっています。
8位 日産「デイズハイウェイスター」/三菱「eKクロス」23.3km/L
燃費の良い軽自動車の第8位となったのは日産「デイズハイウェイスター」と兄弟車の三菱「ekクロス」です。軽自動車の王道と言えるハイトワゴンの「デイズハイウェイスター」と「ekクロス」の現行モデルは2019年3月に登場。クルマの基礎となるプラットフォームをはじめ、エンジン、トランクミッションをすべて新設計した意欲作です。高い走行性能に加えて、高速道路同一車線運転支援機能のプロパイロット(三菱はマイパイロット)を搭載するなど軽トップレベルの安全性能も魅力です。
搭載するエンジンは、660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、全車スマートシンプルハイブリッドと呼ばれるマイルドハイブリッドを採用。直3DOHCのマイルドハイブリッド仕様が25.0km/Lという優れた燃費性能を実現しています。「デイズハイウェイスター」は2023年9月に一部改良を行い、内外装を変更しています。
9位 ホンダ「N-WGN」23.2km/L
燃費の良い軽自動車の第9位が、ホンダのハイトワゴン「N-WGN」です。「N-WGN」は標準車とカスタムの2つのモデル系統を用意しています。現行モデルの「N-WGN」は2019年7月に登場。スクエアなボディデザインを採用し広い室内空間に加えて、ラゲッジスペースには、床面の高さを変えられるボードを装着。これにより荷室の高さを変えられたり、上下に仕切った2段ラックモードを選べたりするなど高い利便性が特徴です。
搭載するエンジンは、660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、直3DOHCエンジン搭載の2WD車が23.2km/Lという優れた燃費性能を実現しています。また全車に追従走行が可能なアダプティブクルーズコントロールを含む先進の運転支援システム「ホンダセンシング」を標準装備しています。
10位 ホンダ「N-ONE」23.0km/L
燃費の良い軽自動車の第10位となったのは、ホンダのプレミアムハイトワゴン、「N-ONE」です。「N-ONE」の現行モデルは2020年11月に登場しました。見た目は先代モデルとそっくりですが、中身は大幅に進化しています。なかでも安全性の進化幅は大きく、先進の安全運転システム「ホンダセンシング」を全車標準装備しています。
「N-ONE」のグレード体系は、オリジナル、プレミアム、RSの3タイプ用意され、プレミアムのターボ車はプレミアムツアラーと呼ばれます。またRSには6速MTを搭載したモデルも用意するなど走りを追求したモデルとなっています。搭載するエンジンは、660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、直3DOHCエンジン搭載の2WD車が23.0km/Lという燃費性能を実現しています。
【タイプ別】燃費の良い軽自動車ランキング
軽自動車全体の燃費性能に優れた10台に続いては、軽自動車を人気のスーパーハイトワゴン、王道のハイトワゴン、新機軸のSUV、定番のセダン、そして軽バンの5つのタイプに分けて燃費の優れたモデルを紹介します。
軽スーパーハイトワゴンのTOP5
1位 スズキ「スペーシア」25.1km/L
1位 スズキ「ワゴンRスマイル」25.1km/L
3位 ダイハツ「ムーヴキャンバス」22.9km/L
4位 ダイハツ「タント」22.7km/L
5位 ホンダ「N-BOX」21.6km/L
2024年1月の軽自動車の新車販売台数を見ると、1位のホンダ「N-BOX」をはじめ、2位のスズキ「スペーシア」、4位の日産「ルークス」と上位をスーパーハイトワゴンが占めています。軽自動車最大級の室内空間の広さと便利なリアスライドドアを採用したスーパーハイトワゴンが軽自動車の売れ筋と言えます。
燃費性能1位のスズキ「スペーシア」と「ワゴンRスマイル」は総合ランキングで触れているとおり、マイルドハイブリッドシステムを採用し、25.1km/Lというダントツの燃費性能となっています。3位のダイハツ「ムーヴキャンバス」、4位のダイハツ「タント」、5位のホンダ「N-BOX」は揃ってマイルドハイブリッドなしです。
●ダイハツ「ムーヴキャンバス」
「ムーヴキャンバス」はタントをベースに車高を下げたパーソナルユース向けのモデルで、ワゴンRスマイルと類似しています、ただムーヴキャンバスは現行モデルから直3DOHCエンジンに加えて、パワフルなターボエンジンを追加しターゲット層を拡大しています。
●ダイハツ「タント」
4位の「タント」はスーパーハイトワゴンのパイオニアで、助手席側のピラーをドアにビルトインし、大開口幅を実現したミラクルオープンドアが特徴です。
標準車とカスタム、そしてファンクロスという3つのモデル体系を用意していて、標準車でもターボ車を選べるのが特徴です。軽自動車で圧倒的な新車販売台数を記録し、ベストセラーカーとなっているのがホンダ「N--」です。現行モデルは2023年10月に登場したばかり。エンジンやプラットフォームは先代からのキャリーオーバーですが、さらに質感を高めています。
●ホンダ「N-BOX」
ベストセラーカーの「N-BOX」ですが、燃費性能ではライバル車に後塵を拝していると言えます。ホンダご自慢のセンタータンクレイアウトは走りの良さや後席・ラゲッジルームのアレンジなどに貢献していますが、スズキのハーテクトのように軽量化を優先した設計のものに比べると、重さという部分では不利に働きます。
ホンダは軽自動車へはEVを投入することを優先し、マイルドハイブリッド、フルハイブリッドの導入は検討していないようなので、燃費という点での飛躍的な改善はしばらく期待できなそうです。
軽ハイトワゴンのTOP5
1位 スズキ「ワゴンR」25.2km/L
2位 日産「デイズハイウェイスター」/三菱「eKクロス」23.3km/L
3位 日産「デイズ」/三菱「eKワゴン」23.2m/L
4位 ホンダ「N-WGN」23.2km/L
5位 ホンダ「N-ONE」23.0km/L
1993年にスズキ「ワゴンR」が車高を高めたトールボーイスタイルを採用し、誕生したのがハイトワゴンです。ボディサイズに制約のある軽自動車で車高を高めることで室内空間を拡大させ、快適性を向上させました。その結果、このハイトワゴンがセダンに変わり軽自動車の王道モデルと呼ばれるようになる革命を起こしました。当初は個人ユーザー中心でしたが、ビジネスユースとしても使用されるようになったことで市場を拡大しています。
最近はスーパーハイトワゴンに新車セールスでリードされていますが、軽自動車メーカーにとって中心モデルであることは変わっていません。先ほどの総合ランキングで1位のスズキ「ワゴンR]、2位の日産「デイズハイウェイスター」/三菱「eKクロス」、4位のホンダ「N-WGN」、5位のホンダ「N-ONE」は触れていますので、3位の日産「デイズ」/三菱「eKワゴン」について紹介しましょう。
●日産「デイズ」/三菱「eKワゴン」
「デイズ」、「ekワゴン」のカスタムバージョンが「デイズハイウェイスター」、「eKクロス」となります。が「デイズハイウェイスター」、「eKクロス」が全車マイルドハイブリッド付となっているのに対して、「デイズ」、「ekワゴン」は660cc直3DOHCエンジンのハイブリッドなしのみです。
燃費性能を見ると、市街地モードではマイルドハイブリッド付の恩恵が大きいですが、それ以外だとほぼ差がないため、総合燃費でもわずか0.1km/Lしか変わりません。ストップ&ゴーの多い街乗りでの加速性能は効果を発揮しますが、スズキのマイルドハイブリッドに比べると、燃費性能の向上は少ないと言えるかもしれません。しかし、プラットフォームやエンジン、トランスミッションは新設計ですし、2023年9月のマイナーチェンジで走行性能や静粛性に磨きが掛かっています。
軽SUVのTOP5
1位 スズキ「ハスラー」25.0km/L
2位 ダイハツ「タントファンクロス」21.9km/L
3位 ダイハツ「タフト」21.4km/L
4位 三菱「デリカミニ」20.9m/L
5位 スズキ「ジムニー」16.6km/L
純粋に軽SUVと言えるのは、スズキ「ハスラー」、ダイハツ「タフト」、スズキ「ジムニー」の3モデルです。ダイハツ「タントファンクロス」と三菱「デリカミニ」の2モデルはスーパーハイトワゴンにSUVテイストをプラスしたクロスオーバーモデルと言えます。1位の「ハスラー」は総合ランキングにも入っていたように、2位以下とはかなりの燃費差があります。これはまさにマイルドハイブリッドの効果と言えるでしょう。
●ダイハツ「タントファンクロス」
2位の「タントファンクロス」は、スーパーハイトワゴンの「タント」の内外装にSUVテイストをミックスしたモデルです。最低地上高などは変わりませんが、外観にアンダーパネルのような加飾を施したり、シート表皮を迷彩柄にしたりとアクティブさを強調したモデルです。
●ダイハツ「タフト」
3位の「タフト」はハイトワゴンのムーヴをベースとしたSUVです。外観にブラック塗装のパーツ、内装に迷彩柄のシート表皮を採用。さらに最低地上高は190mmと悪路走破性を備えた本格派SUVです。
●三菱「デリカミニ」
「デリカミニ」は元々「eKクロススペース」として販売されていたスーパーハイトワゴンを三菱伝統のブランドであるデリカシリーズに変更したモデルです。日産「ルークスハイウェイスター」の兄弟車ですが、「デリカミニ」の4WD車は15インチの大径タイヤと三菱が独自に味付けしたサスペンションセッティングにより、路面状況を問わず高い走行安定性を実現しています。
●スズキ「ジムニー」
5位のスズキ「ジムニー」は高い悪路走破性を備えた本格オフローダーです。「ジムニー」伝統のラダーフレームを採用し、ターボエンジンを縦置きに搭載するジムニー独自のレイアウトとなっています。燃費性能は16.6km/Lとほかのモデルと比べるとかなり悪いですが、唯我独尊とも言える高い悪路走破性は、燃費性能以上の価値があると言えます。
軽セダン(ロールーフ)のTOP5
1位 スズキ「アルト」27.7km/L
2位 スズキ「アルトラパン」26.2km/L
3位 ダイハツ「ミライース」25.0km/L
メーカはセダンと呼んでいますが、実際にはリアゲートを採用した5ドアハッチバックです。コンパクトなボディと車両重量の軽さにより、1位のスズキ「アルト」、2位のスズキ「アルトラパン」3位のダイハツ「ミライース」すべて総合ランキングにランクインしています。
「アルト」と「アルトラパン」はマイルドハイブリッド仕様が26.2~27.7km/Lと優れた燃費性能を発揮しています。しかし「アルト」にはハイブリッドレスのグレードもあり、そのグレードの燃費は2WDが25.2km/L、4WDが23.5km/L。ハイブリッドなしでも「ミライース」を上回っています。その理由はマイルドハイブリッドの代わりにエネチャージと呼ばれるエネルギー回生機能が装着されているからです。
アルトの法人向けグレードはリアの窓が固定式となりヘッドレストなども省略される
3モデルともに、軽自動車のスタンダードモデルと言われており、法人向けと個人向けグレードによる装備差がハッキリとしています。運転支援機能は標準装備となっていますが、オートエアコンや電動格納式リモコンドアミラーといった快適装備がオプションとなっていることが多いので購入時に注意したいところです。
軽バンのTOP5
1位 ホンダ「N-VAN」19.8km/L
2位 ダイハツ「アトレー」14.7km/L
3位 スズキ「エブリイワゴン」13.3km/L
ここで、取り上げる軽バンは純粋なビジネスモデルではなく最近流行っている車中泊などにも,使われることが多いパーソナルユースに対応した軽バンとなっています。
●ホンダ「N-VAN」
その中で最も燃費性能が優れているのが、2018年に登場したホンダ「N-VAN」です。搭載するエンジンは、660ccの直3DOHCとDOHCターボの2種類で、直3DOHCエンジン搭載した2WD MT車が19.8km/Lという燃費性能を実現しています。また2WD CVT車でも19.2km/L。パワフルなターボ車でも17.0~18.8km/Lと好燃費です。「N-VAN」は先代の「N-BOX」をベースに助手席側のセンターピラーを廃してリアのハッチに加えて、サイドにも大開口を実現しているのが特徴です。リアシートだけでなく、助手席も畳めて広々としたフラットな床の空間を自在に使うことができます。
●ダイハツ「アトレー」
ダイハツ「アトレー」は、2021年に登場しました。以前は「アトレーワゴン」と呼ばれていましたが、多彩なニーズに対応するためビジネスモデルへと変更されました。エンジンを運転席下に設置するキャブオーバーを採用し、後輪を駆動するFRレイアウトを採用。これは「アトレー」のルーツがビジネスモデルであることを示しています。リアシートを畳めとフラットで使いやすい空間が出現します。搭載しているのはターボエンジンのみで、ラゲッジ部分が荷台になっているデッキバンも用意されています。
●スズキ「エブリィワゴン」
スズキ「エブリィワゴン」は日産「NV100クリッパーリオ」、マツダ「スクラムワゴン」、三菱「タウンボックス」と各社にOEM供給され販売されている軽バンです。「エブリイワゴン」はハイルーフとロールーフ2種類のボディタイプが用意されているのが特徴です。
商用車をベースに開発された「エブリイワゴン」はアトレー同様にキャブオーバーレイアウトを採用し、ターボエンジンを運転席下に搭載しています。販売開始が2015年というロングセラーモデルということもあって燃費性能は3車で最も厳しい数値となっています。
燃費も良い!車としても良い!プロのおすすめ軽自動車BEST3
保有台数の40%を占める軽自動車。2023年には軽自動車で販売台数No.1を続けるホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」といった人気モデルがフルモデルチェンジを行い活気に満ちています。その軽自動車の中でプロの厳しい眼で選んだ3モデルを紹介します。
1位 スズキ「ハスラー」
オン・オフ問わない走行安定性と質感の高さなど実力No.1モデル
軽自動車の中で、最もオススメできるのが軽SUVのスズキ「ハスラー」です。2019年に登場した現行型「ハスラー」は、スーパーハイトワゴンの先代スペーシアをベースとしていますので、室内空間の広さは文句なしです。高い走行性能や静粛性を実現するためにハーテクトと呼ばれるプラットフォームを採用。さらに環状骨格構造や構造用接着剤、高減衰マスチックシーラーを採用しています。
搭載しているエンジンは、当時新設計だった直3DOHCとDOHCターボの2種類で、どちらにもマイルドハイブリッドシステムを搭載し、優れた燃費性能を発揮します。さらに4WD車にはスノーモードに加えて、グリップコントロール、急な坂道でアクセルを踏まなくても速度をコントロールしてくれるヒルディセントコントロールを採用するなど本格的な悪路走破性を兼ね備えています。リアシートの背面やラゲッジフロアには汚れや水分を拭き取りやすい素材を採用するなどアウトドアを満喫する人や小さなお子さんのいるファミリーにはピッタリです。
2位 スズキ「スペーシア」
王者N-BOXの牙城を崩す乗り心地と使い勝手の良さ
2023年後半は、軽自動車の主力モデルとなっているスーパーハイトワゴンの、ホンダ「N-BOX」、スズキ「スペーシア」が揃ってフルモデルチェンジを行い新型へスイッチしました。見た目は「N-BOX」はキープコンセプトに対して、「スペーシア」の標準車はキープコンセプトですが、カスタムは大きくデザインを変更しています。スーパーハイトワゴン系はカスタム系が売れ筋なのですが、「スペーシア」は標準車の方が比率が高かったのです。しかし大きくスタイルの変わった現行型「スペーシア」ではカスタムの比率が高まっています。
現行型「スペーシア」はハスラーと同じボディ剛性の向上やエンジンを搭載し、走行安定性や静粛性を向上させています。なかでも注目は、リアシートに採用したマルチユースステップです。リアシートにフラップを内蔵し、その位置や角度を調整することで、オットマンや脚のサポート、荷物の落下防止など多彩な用途に使えます。特に脚のサポートは効果的で、ロングドライブでの疲労を軽減してくれます。2024年1月の新車販売台数では「N-BOX」と約6,000台差が付いていますが、商品性で言えばこれほどの差がないと言えます。
3位 日産「デイズ」
コンパクトカーに匹敵する質感の高い走りと充実した安全装備
2019年に現行型日産「デイズ」に初めて乗った時に、走りの質感や安全装備などこれまでの軽自動車とは一線を画す性能で、新しい軽自動車の幕開けと感じました。「デイズ」の現行モデルは新開発のプラットフォーム、エンジン、トランスミッション、そして登録車と同じレベルの運転支援機能を搭載していたからです。そして、2023年9月にマイナーチェンジ後のモデルにも試乗しましたが、これが軽自動車なのか!と思うほど静粛性や走りの質感が向上しています。
現在は広い室内空間を実現したスーパーハイトワゴンが人気です。しかし広い室内空間と両側スライドドアを採用するため、車両重量は重くなり、クルマの重心は高くなってしまいます。その点、ハイトワゴンはスーパーハイトほど室内空間が広くないですが、デメリットとなる車両重量や重心の高さは抑えられ、軽快感のある走りを味わうことができます。高い走行性能、充分な室内空間の広さを備えたハイトワゴンの再評価が必要だと思いますし、そのハイトワゴンの中で日産「デイズ」は秀逸の出来映えです。
燃費の良い軽自動車の適切な選び方と注意点
燃費の良い軽自動車を選ぶにあたって、適切な選び方と注意点について説明します。
燃費を優先するならマイルドハイブリッドを採用したスズキの一択
登録車でもトヨタ「プリウス」や「アクア」といったエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車が優れた燃費性能を発揮しているように、軽自動車でもマイルドハイブリッドを採用したスズキが燃費ランキングの上位を独占しています。スズキは軽セダンの「アルト」をはじめ、ハイトワゴンの「ワゴンR」、SUVの「ハスラー」そして車両重量の重いスーパーハイトワゴンの「スペーシア」までランクインしています。
対してそのほかのメーカーは、ダイハツ「ミライース」が軽セダン。そして日産「デイズハイウェイスター」/三菱「eKクロス」、ホンダ「N-WGN」、「N-ONE」はハイトワゴンとスズキほど多彩なボディタイプとなっていません。やはり、スズキが採用しているマイルドハイブリッドシステムは、走行性能だけでなく、燃費性能にも大きな効果があるのはこのランキングを見ると納得できるでしょう。
年間の走行距離を考えたグレード選びが大切
しかしいくら燃費が良いからといって普段、1人しか乗らないのに室内の広いスーパーハイトワゴンを購入したり、マイルドハイブリッド仕様の上級グレードを購入したりすることは、もったいないケースもあります。
例えば、最も燃費性能の優れたスズキ「アルト」でも27.7km/Lを達成するハイブリッドX 2WDの車両本体価格は138万500円。売れ筋のマイルドハイブリッド無しのL 2WDアップグレードパッケージ装着車は125万1800円と約13万円差となります。燃費性能はハイブリッドX2WDが27.7km/L。対してL 2WDは25.2km/Lとわずか2.5km/Lしかありません。この燃費差で約13万円を相殺するには相当な距離を走行しなければなりません。
したがって、軽自動車を購入する際に、車種によっては自分が年間どれくらい走行するのかをしっかりと考えて、マイルドハイブリッド付が自分にとってお得なのか、ランニングコストまでしっかりと考えたほうが良いでしょう。
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軽自動車の燃費が良くなる乗り方・使い方
優れた燃費性能を誇る軽自動車ですが、乗り方や使い方次第によっては大きく燃費性能が下がることもあります。
アクセルペダルはできるだけ強く短く踏む
現在、多くの軽自動車のトランスミッションにはCVTが採用されています。CVTというのは、無段変速のトランスミッションで、アクセルペダルの操作や走行状態に応じて、常に最適な変速比になるように、無段階かつ連続して変速します。メリットとしては、変速ショックがなく、シームレスな加速性能が可能で、燃費性能も向上します。
このCVTはエンジン側、車軸側にあるプーリーと呼ばれるものにベルトを装着し、プーリーが開いたり閉じたりすることで加減速を行います。したがって、このプーリーを素早く動かせば、燃費性能は向上するということになります。そうするためには、発進時には少し強めに踏み、流れに乗ったらアクセルペダルを離すという乗り方をすると効果的です。
運転支援機能を積極的に使う
一方、軽自動車はエンジンの排気量が小さいので、速度域が高くなる高速走行は苦手で、一気に燃費性能が悪化する傾向があります。この燃費の悪化に効果があるのが、アダプティブクルーズコントロールです。ドライバーの操作をシステムが行うことで、できるだけ無駄を省いて燃費を向上させてくれます。現在アダプティブクルーズコントロールは多くの車種に採用されていますので、高速道路を走行する際には積極的に使用してみてください。
燃費が良い軽自動車に関するよくある質問
燃費が良い軽自動車についてよくある質問とその回答をまとめました。
一番燃費の良い軽自動車は?
最も燃費性能が優れているのは、スズキ「アルト」です。660cc直3DOHCエンジンに、ISGと呼ばれるモーター機能付発電機とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載し、WLTCモードで27.7km/L(2WD)を実現しています。またマイルドハイブリッドなしでも25.2km/L(2WD)と非常に優れた燃費性能を発揮します。
軽自動車はなぜ燃費が良い?
軽自動車で最も燃費性能が優れているのがスズキ「アルト」の27.7km/Lです。一方、コンパクトカーのトヨタ「ヤリス」のハイブリッド車は36.0km/Lと「アルト」を上回っています。したがって一概に軽自動車が燃費は良いとは言えません。コストに制約のある軽自動車でもフルハイブリッドタイプがダイハツから出ると言われていましたが、先般からの認証不正問題で発売時期は不透明です。ただ、エンジンの排気量が660ccと決められている軽自動車の場合、パワーを必要とすることの少ない、速度域が低くストップ&ゴーの多い街乗りならば、ハイブリッド車に肉薄する燃費性能を発揮します。
一番燃費の良い軽バンは?
バッジを変えたOEM供給車を除くと、軽バンは、ホンダ「N-VAN」、スズキ「エブリイワゴン」、ダイハツ「アトレー」の3モデルとなります。この中で最も燃費が優れているのは、WLTCモード19.8km/Lの「N-VAN」です。「エブリィワゴン」と「アトレー」は、ターボエンジンを運転席下に置くキャブオーバーと呼ばれるレイアウトを採用し、後輪駆動なのに対して、「N-VAN」は先代の「N-BOX」をベースに開発されたモデル。エンジンもターボエンジンだけでなく、自然吸気エンジンも設定されており、燃費性能は優れているのです。
※この記事は2024年2月時点の情報で制作しています